今回の記事では「リリーフ弁」の、おすすめメーカーと価格相場について紹介します。
目次
リリーフ弁の種類
リリーフ弁とは、油圧が設定値以上に上昇するのを防止するのに使用される産業用の機械です。
分類としては大きく2つに分けられ、以下のような違いがあります。
①直動型リリーフ弁:
構造が単純であり構成部品も少なく内部での油の漏れも少ないです。主に低圧、小容量の回路に使用されるリリーフ弁です。
受圧面積が大きくそれに伴いばね荷重も大きくなるのでバランスピストン型と比べると弁体が大きくなってしまい、本体も大きくなる傾向があります。
オーバーライド特性はバランスピストン型と比べて劣りますが応答性が良いため、特に安全弁として使用されることが多いです。
②バランスピストン型リリーフ弁:
直動型と比べると構成部品は多いですが、作動が安定しており、設定圧力の変化の少ないリリーフ弁です。
パイロット作動型とも呼ばれます。
容量が同じであれば直動型と比べて小型化が可能であり、高圧域までの調整も容易にできます。
応答性は直動型には劣りますがオーバーライド特性はとても優れており、ベント接続により回路の圧力を遠隔制御することもできるため油圧回路の圧力調整のために使用されることが多いです。
リリーフ弁メーカー各社のメリット・デメリット
リリーフ弁を扱う主要メーカーは、約10社あります。その中から、国内シェアの高い3社をご紹介します。
豊興工業株式会社(TOYOOKI)
出典:TOYOOKI
1958年創業の油空圧機器、自動車部品を作成する老舗メーカーです。
自動車部品では国内シェア40%を超えている部品もあり、確かな技術力のあるメーカーです。
技術力、信頼性は高いものの、リリーフ弁自体の商品ラインナップは多くはないため選択肢が限られてしまう場合も。また、最高使用圧力が低いものに力を入れているようで最高使用圧力が25Mpa以上のもののラインナップはありません。
廣瀬バルブ工業株式会(Hirose Valves)
1923年創業のバルブを専門的に扱う、信頼と実績のメーカーです。
リリーフ弁は直動型のみを取り扱っており、バランスピストンは取り扱っていません。しかし、商品ラインナップの数は多く最高使用圧力も高いものが多く35Mpaに対応しているものも多くあります。
直動型しかラインナップがないため使用用途が限られてしまう場合が多いです。
リリーフ弁の価格相場
リリーフ弁も基本的には単純な構造で電気的要素がないため値段は安く数万円から十万円以内です。
値段は最高使用圧力と流量が大きいほど高くなる傾向があります。
リリーフ弁はその他の制御弁などと一体型として販売されているものもあり、そのようなものは十万円を超えてくるものもあります。
基本的にリリーフ弁は既製品で対応できる場合が多いため高額になることは少ないです。
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リリーフ弁の選び方
リリーフ弁の選び方で大切になるのは、油圧装置のどこにどのような役割で使用したいのかによって変わってきます。
安全弁として使用したいのであれば直動型、それ以外の油圧の制御であるならばバランスピストン型を使用することが多いです。
あとは、使用したい油圧装置の容量や必要圧力が分かれば、自ずとどのリリーフ弁が最適であるか決まってきます。
リリーフ弁は単体で使うことはありません。構造も働きも単純な機器ではありますが、油圧装置を最適な圧力で使用するのになくてはならないものです。万が一故障などが起きた場合は、重大な故障に繋がることもあるため、信頼できるメーカーの製品を選びましょう。
リリーフ弁のまとめ
今回の記事ではリリーフ弁について解説しました。今回の記事内容を簡単にまとめます。
- リリーフ弁とは、油圧が設定値以上に上昇するのを防止するのに使用される産業用の機械
- 「直動型リリーフ弁」や「バランスピストン型リリーフ弁」にわけられる
- 主要メーカーは、「豊興工業」「廣瀬バルブ工業」などを筆頭に10社ほどある
- リリーフ弁の価格相場は、数万円~数10万円程度
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■執筆担当者:KenOs 昼は自動車整備士、夜は覆面の執筆者、趣味はバイクという、ライター界きっての機械マニア。 そんな機械に囲まれた最高の生活を送っているが、そろそろお金と美女にも囲まれたい、バイクには乗れるが時代の波にももっと上手く乗りたい……といった悩みも。 |