今回の記事では「水圧シリンダー」の、おすすめメーカーと価格相場について紹介します。
目次
水圧シリンダーの種類
水圧シリンダーとは、食品や医薬品工場など主に油圧や空圧シリンダーが使用できない環境で活躍する産業用部品です。
水圧シリンダーの特徴は、正に「水」にあります。ガスや油漏れの心配がない点で環境に配慮した製品です。また低圧での操作が可能で、高圧下での急激な反発など誤作動が起こらない点で安全性にも優れています。
その他にも軽量かつコンパクト。初期費用が油圧・空圧に比べて安く、ランニングコストも水を使用するため安く済むなど低コストである点もメリットとして挙げられます。
デメリットとしては沸点が低い点。また油圧と比べると水は粘度が低いため、摩擦による損失が発生しやすいという点です。
水圧シリンダーを製造するおすすめメーカー
水圧シリンダーを扱う主要メーカーは、約10社ほどあります。その中でもおすすめの3社を製品とともにご紹介します。
株式会社ADSムラカミ
株式会社ADSムラカミは、2015年創業水圧シリンダー専門の新興メーカーです。創業間もない企業ですが、ADSムラカミの社長は水門や油圧機器分野で有名な村上製作所の会長を務めていた方です。ピストン形シリンダの密封装置の特許も取得しています。(阪上製作所と共同で取得)
製品ラインナップは、食品機械分野や輸送装置分野、医療・福祉分野など分野ごとに製品群が分けられています。従来の水圧シリンダーで使用していた添加剤を含む水ではなく、純粋な水道水を作動媒体とする液圧技術を応用したもので「安心・安全・快適・オイルフリー」がテーマです。
株式会社堀内機械
株式会社堀内機械は、1941年創業のシリンダ専門のメーカーです。JIS規格における産業機械用標準シリンダの国内シェア率は40%で日本トップレベルの実績があります。
油圧シリンダーが主力製品ですが、特殊規格品として水圧シリンダーADシリーズも制作しています。水道圧(0.3MPa程度)から中圧の7MPaまで幅広く使用可能。内径も32・40・50・63・80mmの5種類から選択できます。材質はステンレス素材のみです。
株式会社リベックス
株式会社リベックスは、1995年創業のセンサ及び関連機器を製造・販売するメーカーです。トヨタ自動車や京都大学など幅広い業界への納入実績があります。
リベックスではセンサ付きシリンダーのセナシルを製造しています。油圧、空圧、そして水圧シリンダから製造可能です。センサはアブソリュートピッチが12.8mmの標準タイプ、そしてアブソリュートピッチが8.192mmの高精度タイプ2種類があります。標準タイプは最大ストローク2000mmまでですが、高精度タイプは400mmまでとなる点は注意が必要です。
水圧シリンダーの価格相場
水圧シリンダーの価格相場は標準価格を公表しておらず、ECサイトでの販売もないメーカーが多いため相場は不明です。
以下は参考価格は標準価格を公表しているメーカーからの抜粋です。
▼ADSムラカミ製品の場合
- 食品機械用で13万5000円〜
- 輸送機械用で12万円〜
- 医療用のアルミ製単動2段式テレスコープシリンダで9万5000円〜と10万円前後
※チューブ内径125mmからの医療用大型単動1段式シリンダは55万円〜となります。(標準価格のため仕様によっては上記より高くなる場合があります。)
水圧シリンダーの選び方
商品HPやカタログ等での比較となりますが、国内メーカーで一番水圧シリンダーに力を入れていたメーカーはADSムラカミでした。上記3社の中では最もラインナップの多いメーカーでもあります。
他2社も納入実績や油圧シリンダーでの実績があり、信頼できるメーカーです。
また油圧機器で高いシェアを持つ村上製作所やカヤバなどは過去に水圧シリンダーやそれに近い製品の製造実績がありました。現在でも製作できる可能性があるため問い合わせしてみるのも良いと思います。
水圧シリンダーのまとめ
今回の記事では水圧シリンダーについて解説しました。今回の記事内容を簡単にまとめます。
- 水圧シリンダーとは油圧や空圧シリンダーが使用できない環境で活躍する産業用部品
- 主要メーカーは「ADSムラカミ」を筆頭に約10社ほど
- 水圧シリンダーの価格相場は、数10万円程度