今回の記事では「油圧アクチュエータ」の、おすすめメーカーと価格相場について紹介します。
目次
油圧アクチュエータの種類
油圧アクチュエータとは、油圧機器の中の油圧エネルギーを機械エネルギーに変換する産業用の機械です。
分類としては大きく2つに分けられ、以下のような違いがあります。
①油圧シリンダー:
油圧シリンダーとは油圧エネルギーを直線運動の機械エネルギーに変換する油圧アクチュエータです。油圧シリンダーは大きく2種類に分けられます。
- 単動型:作動油の出入口がシリンダーの片側にしかなく、シリンダーを伸ばす時は油圧で縮める時は自重や油圧以外の力で作動します。
- 複動型:作動油の出入口がシリンダーの両側にあり、シリンダーを伸ばす時も縮める時も油圧を使用し作動します。
②油圧モータ:
油圧モータとは油圧エネルギーを回転運動の機械エネルギーに変換する油圧アクチュエータです。
系統としては大きく以下の3種類に分けられますが、油圧ポンプの種類と一緒になっており特徴も同じです。
その理由は構造が油圧モーターと油圧ポンプはほとんど同じであり、動力が油圧であるかその他の動力であるかの違いでしかなく、動きとしては同じであるからです。
- ギヤ(歯車)型モータ
- プランジャ(ピストン)型モータ
- ベーン型モータ
油圧アクチュエータメーカー各社のメリット・デメリット
油圧アクチュエータを扱う主要メーカーは、約10社あります。その中から、国内シェアの高い2社をご紹介します。
株式会社堀内機械
出典:堀内機械
1941年創業の油圧アクチュエータの中でも油圧シリンダーに特化した会社です。
JIS規格における油圧シリンダーの国内シェアは40%となっています。
油圧シリンダーに関してはとても強みのある技術を有しており、様々な用途に合わせた油圧シリンダーの使い方、商品を提供しています。
油圧モータに関しては製造しておらず、油圧シリンダーのみを売りにした会社です。
日本オイルポンプ株式会社(NOP)
出典:NOP
1919年創業の老舗の油圧ポンプ、モータを製造するメーカーです。
トロコイドポンプ(ギヤポンプの一種)の工作機械業界での国内シェアは70%を誇っており、確かな技術力、信頼性のあるメーカーです。同社は油圧モータの中でも特にギヤ(歯車)型モータに力を入れています。
一方、油圧モータにはそれほど注力しておらず、比較的小型なギヤ型モータを多く製造しています。油圧シリンダーについては製造していません。
油圧アクチュエータの価格相場
油圧アクチュエータの価格相場は数10万円~程度です。
油圧モータは既製品であれば、小型なものであれば数万円、大型であっても百万円以下のものが多いです。
油圧シリンダーも既製品であれば数万円から数十万円であることが多いです。
しかし油圧シリンダーは用途によっては特殊なものや非常に大型なものが必要になってくることもあります。
そのような場合は特注品になったりすることもあり、値段も幅が広くなってくるため既製品で対応できないものは百万円を超えてくることも多くあります。
また使用用途によっては、複数のアクチュエータを組み合わせて一つの製品、アクチュエータとして使用する場合もあり、そのような場合はやはり高額になってしまいます。
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油圧アクチュエータの選び方
油圧アクチュエータは油研ピストン、油圧モータそれぞれ強みのあるメーカーが変わってきます。
どのような目的でどのくらいの規模の油圧アクチュエータが必要になるかを明確にし、用途にあったアクチュエータを制作しているメーカー、製品を選ぶことが大切になってきます。
油圧アクチュエータは単品では使用することは出来ないため、他の油圧装置との組み合わせを考えることも必要です。
油圧シリンダーは作動油もれなどがおきやすく、油圧モータも故障がおこる場合もあり得ます。
値段だけではなく耐久性、信頼性、サポートなど総合的、長期的にみて信頼できるメーカーを選ぶのが良いでしょう。
油圧アクチュエータのまとめ
今回の記事では油圧アクチュエータについて解説しました。今回の記事内容を簡単にまとめます。
- 油圧アクチュエータとは、油圧機器の中の油圧エネルギーを機械エネルギーに変換する産業用の機械
- 「油圧シリンダ「油圧モータ」などに分類される
- 主要メーカーは、「堀内機械」や「日本オイルポンプなどを筆頭に10社ほどある
- 油圧アクチュエータの価格相場は、10万円~程度
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■執筆担当者:KenOs 昼は自動車整備士、夜は覆面の執筆者、趣味はバイクという、ライター界きっての機械マニア。 そんな機械に囲まれた最高の生活を送っているが、そろそろお金と美女にも囲まれたい、バイクには乗れるが時代の波にももっと上手く乗りたい……といった悩みも。 |