今回の記事では「不織布製造装置(ふしょくふせいぞうそうち)」の、おすすめメーカーと相場について紹介します。
目次
不織布製造装置の種類
不織布製造設備とは、ウェブ(繊維状のシート)の形成工程で使用する産業用の機械・設備です。不織布製造設備はウェブの形成方式によって種類が分けられます。
ここでは一般的な3つの方式を紹介します。
乾式法(分類1)
乾式法とは、短い繊維を乾いた状態からウェブに変える方法です。 ローラー付きカードと呼ばれる機械や、空気の流れを利用して繊維を特定の方向に配置したり、ランダムにウェブを形成したりするエアアレイを使用して、ウェブを形成します。
湿式法(分類2)
湿式法では、6mm以下の非常に短い繊維を水に均一に分散させ、ネット上で圧力または熱を加えて脱水し、ウェブを形成します。湿式法で形成されたウェブは、紙に似た風合いが出るのが特徴です。
スパンボンド法(分類3)
スパンボンド方式では、長い繊維が作れるため、引張強度のあるウェブを作れます。 原料となる樹脂チップを溶かして積み重ね、シート状に接着することでウェブを形成します。
※その他、「スパンレース法」や「エアスルー法」など
不織布製造装置メーカー各社のメリット・デメリット
不織布製造設備を扱う主要メーカーは2社あります。両社ともに機械の特徴やメリット・デメリットがあります。
株式会社大昌鉃工所
出典:大昌鉃工所
株式会社大昌鉃工所は1954年に創立して以来、不織布といったシート状製品を製造する産業機械の設計、製造を行っているメーカーです。長年培ってきたノウハウを始め、製造プロセス全般に携わり獲得した技術力や経験が同社の強みでありメリットです。
同社で取り扱っている不織布製造装置は「カード式不織布製造設備」「直紡式不織布製造設備」「エンボス・カレンダー装置」などです。
上野山機工株式会社
出典:上野山機工
上野山機工株式会社は、創業が1923 年(会社設立は1936 年)の老舗の機械製造メーカーです。同社は不織布向けウェブ・ハンドリング装置の設計、製造の専門メーカーであるため高い技術力や顧客要望に合わせた提案力に強みを持っています。
一方、次工程との連携などにはやや不得手としている点も見られ、この点はデメリットと言えます。
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不織布製造装置の価格相場
不織布製造設備の価格相場は250万円~4,000万円程度です。
自社が製造した不織布でどのような市場を狙うのか。また製造設備でカバーする作業範囲によって、不織布製造設備の仕様や付加するアタッチメント(オプション)が変わってくるため、設備価格にも影響を及ぼします。
不織布製造装置の選び方
まずは、自社で製造する不織布の使用目的をしっかりと定めるのが重要です。不織布の使用目的によって不織布製造設備の分類や仕様が異なるためです。
- フラット商品なのか、バルキー商品なのか
- 不織布のサイズや後加工の必要性
- 原料として何を使用するのか
- ウェブ形成がスパンレース製法、エアスルー製法、湿式(抄紙)製法のどれにするかも重要な選択ポイント
- 不織布の生産量によっては自社工場内のレイアウトも重要な要素となる
例えば、掃除機用のフィルター機能をもった袋なのか、用途がマスクなのかで、不織布の糸間のバルキー性や厚みは異なります。
不織布製造装置のまとめ
今回の記事では不織布製造装置・設備について紹介しました。簡単にまとめます。
- 不織布製造設備は、ウェブと呼ばれる繊維状のシートを製造する機械
- ウェブの製造方法には「乾式法」「湿式法」「スパンボンド法」などがある
- 不織布製造設備を扱うメーカーは、大昌鉃工所や上野山機工などが有名
- 大昌鉃工所は技術力やノウハウなどに強み・メリットを持つ
- 上野山機工は提案力に強みを持つ
- 不織布製造装置の価格相場は、250万円から4,000万円
- 不織布製造装置を導入する際は、製造した不織布を何に使用するのか?を始め、付加するオプションなどを考慮する必要がある
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