「基板加工機」の、おすすめメーカーと価格相場について紹介します。
目次
基板加工機の種類
基板加工機とは、プリント基板の回路を形成する工程で使用する産業用の機械です。
基板表面の銅箔を除去して絶縁部を作り、回路パターンが形成される仕組みです。基本的には少量生産に向いています。(※一般的に大量生産の場合は、薬品を用いたエッチング加工で基板を製造します。)
分類としては大きく2つに分けられ、以下のような違いがあります。
①切削加工タイプ
カッターやドリルなどの切削工具で基板表面の銅箔を削って除去するタイプです。複数の工具を交換する必要がありますが、現在は自動で交換されるものも多くなっています。
多層基板のスルーホールと呼ばれる貫通穴の加工精度に優れています。
②レーザー加工タイプ
レーザーで基板表面の銅箔を溶かして除去するタイプです。切削加工タイプにくらべて加工スピードが速く、安定性も高いです。
機械的な摩耗がないためメンテナンス性に優れています。ブラインドホールと呼ばれる非貫通穴の加工が得意です。
基板加工機を製造するおすすめメーカー
基板加工機を扱う主要メーカーは、13社あります。その中でもおすすめのメーカーを3社ご紹介します。
LPKF Laser&Electronics株式会社
ドイツで1976年に創業したLPKF Laser & Electronics AGの日本法人。レーザーテクノロジーでソリューションを提供する精密加工装置メーカーです。基板加工機では世界トップシェアを誇り、リーディングカンパニーとして知られています。
ミッツ株式会社
卓上プリント基板加工システムで国内トップシェアを誇る基板加工機メーカーで、コストパフォーマンスの良い低価格モデルから、100μm以下の高い加工精度を追求したハイエンドモデルまで揃えています。
ミッツ社によると「レーザータイプの基板加工機は価格が高く、機材へのダメージも大きい」ことからレーザー加工タイプは作っておらず、切削加工タイプに絞った機種になっています。基板に跡をつけないために、エアを噴出して基板を抑える「非接触方式」の基板加工機も作っています(価格は定価ベースで300万円程度~)。
保守については納品後1年間は無償保証としており、その後も無期限で技術的なサポートを行ってくれます。
イープロニクス株式会社
1991年設立。基板加工機をはじめとするエレクトロニクス製品のほか、各種検査装置やソフトウェア開発なども幅広く手がけているメーカーです。国内外の優れたハードとソフトを組み合わせたトータルソリューションを提供しています。その豊富な経験と技術から受託加工サービスも可能です。
基板加工機の価格相場
基板加工機の価格相場は想定値は数十万円〜数百万円程度です。一般的に切削加工タイプは比較的安価で、レーザータイプは高価です。
基板加工機の選び方
多層基板でスルーホールが必要ならば、切削加工タイプのほうが加工精度に信頼性があります。
スルーホール不要で導入コストが高くても問題がないなら、加工スピードが速く、安定性も高いレーザータイプをおすすめします。
基板加工機のまとめ
今回の記事では基板加工機について解説しました。今回の記事内容を簡単にまとめます。
- 基板加工機とはプリント基板の回路を形成する工程で使用する産業用の機械
- 「切削加工」や「レーザー加工タイプ」などがある
- 主要メーカーは「LPKF Laser&Electronics」を筆頭に13社ほど
- 基板加工機の価格相場は、数十万円〜数百万円程度