今回の記事では「ロータリーエバポレーター」の、おすすめメーカーと価格相場について紹介します。
目次
ロータリーエバポレーターの種類
ロータリーエバポレーターとは、溶媒の濃縮・分留などを行う際に使用される産業用の機械で、いわゆる蒸留装置です。
分類としては大きく3つに分けられ、以下のような違いがあります。
①濃縮型:
濃縮プロセスでは、液体から水を除去して高濃度の濃縮液体を作成します。
濃縮操作は、主に液体を加熱し、水を蒸発させることによって実行されます。
②分留分離型:
分留分離(分別蒸留)は、沸点の違いを利用して2種類以上の液体の混合物を分離する方式です。
例えば、石油を例とした場合、掘削された状態では様々な液体の混合物です。その石油を分留分離することで、石油ガス、ナフサ、灯油、軽油などに別けることができます。
③蒸留型:
蒸留は、各物質の蒸気圧の差を使用して、混合物の特定の成分を濃縮する方式です。
蒸留する混合物を加熱すると、各成分が液面から徐々に蒸発し、この蒸気を冷却して回収することで物質を分離させます。
通常は低温で低沸点成分の比率が高く、温度が上がると高沸点成分の比率が高くなる留出物が得られ、これを繰り返すことで、対象成分の濃度を上げることができます。
ロータリーエバポレーターを製造するメーカー
ロータリーエバポレーターを扱う主要メーカーは、3社あります。
日本ビュッヒ株式会社(BUCHI)
出典:BUCHI
1957年にスイスで創業した分析機器などを専門とするグローバル企業です。世界で初めてロータリーエバポレーターを製品化した企業でもあり、高精度な分析を支える前処理技術では世界トップクラスの実力を誇ります。
なお日本ビュッヒは同社の日本支部で、2001年より稼働。日本国内での同社製品を販売・サポートしています。
柴田科学株式会社(SHIBATA)
出典:SHIBATA
柴田科学株式会社の創業は1921年で、官公庁や大学、企業向けの研究開発支援機器「汎用科学機器製品」や、製薬分野向けの「大型化学プラント設備」などを開発・納品しています。
株式会社北浜製作所
出典:キタハマ
株式会社北浜製作所の創業は1948年で、「計測・制御機器」および「化学分析機器」をメインに製造販売するメーカー兼商社です。
企業規模としては中堅クラスですが、近年はヘルスケア医療機器事業も立ち上げるなど、経営の多角化を行っています。
ロータリーエバポレーターの価格相場
ロータリーエバポレーターの価格相場は50万円~100万円程度です。
ラボレベルの小型で機能が単純であれば、本体5~10万円程度で導入できます。
一方、大型で多機能、あるいは自動化に対応した機器の場合は、30~50万円程度。
本体と加熱バス、真空ポンプ、冷却装置を全てを揃えた場合は100万円程度かかる場合もあります。
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ロータリーエバポレーターの選び方
エバポレーターを導入する際には、必要な機能を予め確認しておくのが重要です。
最低限必要なものは、本体、熱浴、真空ポンプ、冷却装置ですが、全部で100万円程度かかる場合があります。
ロータリーエバポレーターのまとめ
今回の記事ではロータリーエバポレーターについて解説しました。今回の記事内容を簡単にまとめます。
- ロータリーエバポレーターとは溶媒の濃縮・分留などを行う際に使用される産業用の機械
- 「濃縮」「分留分離」「蒸留」などを行える
- 主要メーカーは「日本ビュッヒ」を筆頭に3社ほど
- ロータリーエバポレーターの価格相場は、50万円~100万円程度
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