今回の記事では「冷熱衝撃装置」の、おすすめメーカーと価格相場について紹介します。
目次
冷熱衝撃装置の種類
冷熱衝撃装置とは、試料が温度変化にどれ程の耐性があるかを評価する際に使用する環境試験機です。
冷熱衝撃装置は高温と低温を交互に短時間で与えることで、以下を確認できます。
|
主な用途としては、「半田付け部分の検査・評価」「樹脂素材の熱変形や歪みの検査」「シール部などの漏れの検査」などに使用されます。
分類としては大きく次の2つに分けられます。
試料静止型冷熱衝撃装置
試料のあるテストエリア自体の温度を変化させる試料静止型は試料の移動がないため配線のあるものでも使用可能であり移動のストレスもありません。
試料移動型冷熱衝撃装置
試料のあるテストエリアを高温室と低温室とに移動させる試料移動式は試料の温度変化を試料静止型よりも比較的素早く行えます。
冷熱衝撃装置メーカー各社のメリット・デメリット
冷熱衝撃装置を扱う主要メーカーは、5社程度。各社ともに機械の特徴やメリット・デメリットがあります。
エスペック株式会社(ESPEC)
出典:ESPEC
1947年に創業した環境試験器を扱う老舗メーカーです。
日本で初めて環境試験器の開発をしたメーカーでもあり、高い技術力と独自の品質保障体制で世界的に高い信頼を得ているメーカーです。
環境試験器の日本国内シェアは約60%、世界シェアは約30%程度と、業界トップクラスのシェア率を誇っており、今回取り上げた冷熱衝撃装置も多くのラインナップを有しています。
株式会社二葉科学(FUTABA)
出典:FUTABA
1959年創業の環境試験機、熱処理機器などを製造、販売する老舗の総合環境試験機器メーカーです。
既成の商品や従業員数は多くはありませんが、特殊仕様、特殊サイズのようなオーダーメイド品の作成に定評のあるメーカーです。
国内外の様々な有名メーカーに納品実績もあり、技術力の高さに定評があります。
株式会社カトー(KATO)
出典:KATO
1969年創業の老舗の環境試験器、恒温機器の専門メーカーです。
「冷熱衝撃装置」として販売している製品はありませんが、同社の「恒温器」は冷熱衝撃装置と同じ機能を有しています。非常に小型な製品もあるなど特徴のあるメーカーです。
同社も二葉科学と同様オーダーメイド品の作成に力を入れており、ユーザーの希望仕様に沿った製品を作成してくれます。
冷熱衝撃装置の価格相場
冷熱衝撃装置の価格相場は100万円~1300万円程度です。
冷熱衝撃装置の価格は「装置の大きさ」が価格決定要因の一つです。基本的に、大型の製品ほど製品の本体価格は高くなる傾向にあります。
また、規格外の大きさや試験温度など、導入環境に合わせた特注・オーダーメイドとなる場合は、1,000万円を大きく超えてくる場合もあります。
お問い合わせやお見積りのご相談は「お問い合わせフォーム」よりお願いいたします。
冷熱衝撃装置の選び方
冷熱衝撃装置の選び方としてはまずは、どのような測定物の試験を行いたいかを明確にしましょう。
その測定物を物理的に装置に入れることは出来るのか?試験の最高温度、最低温度が必要な温度に設定出来るのか?などを考えておけばおのずと装置は絞られてくるはずです。
希望にあった装置がない場合はオーダーメイドとなってしまいます。しかしオーダーメイドとなるとやはり価格は上がりやすい傾向があるため、部品を分けて試験をするなどで対応出来る既製の装置はないのかなどを考えてみることも大切でしょう。
冷熱衝撃装置のまとめ
今回の記事では 冷熱衝撃装置について解説しました。今回の記事内容を簡単にまとめます。
- 冷熱衝撃装置とは、試料の耐久・耐性検査に用いられる環境試験機の一種
- 「試料静止型冷熱衝撃装置」や「試料移動型冷熱衝撃装置」などに分類できる
- 主要メーカーは「エスペック」「二葉科学」「カトー」など
- 冷熱衝撃装置の価格相場は、100万円~1300万円程度
- 価格決定要因は機器本体のサイズ、仕様など
お問い合わせやお見積りのご相談は「お問い合わせフォーム」よりお願いいたします。
■執筆担当者:KenOs 昼は自動車整備士、夜は覆面の執筆者、趣味はバイクという、ライター界きっての機械マニア。 そんな機械に囲まれた最高の生活を送っているが、そろそろお金と美女にも囲まれたい、バイクには乗れるが時代の波にももっと上手く乗りたい……といった悩みも。 |