今回の記事では「高度加速寿命試験装置」の、おすすめメーカーと価格相場について紹介します。
高度加速寿命試験装置の種類
高度加速寿命試験装置とは、電子部品などの寿命を評価する際に使用する環境試験器です。
高度加速寿命試験装置はプレッシャークッカー試験(PCT)と呼ばれる試験槽の中を100℃以上の高温高密度の水蒸気雰囲気によって試料の湿度による劣化を加速させることに加えて、試験槽内の圧力を上げることで試料の内部にまで湿気が入ることによりより劣化を加速させることが可能であり、耐湿性の評価などの湿気が試料に与える影響を観測する際に使用されます。
PCTには大きく
- 不飽和プレッシャークッカー試験
- 飽和プレッシャークッカー試験
の2種類があります。
不飽和プレッシャークッカー試験とは試験槽の中を湿度85%にし試験を行うものです。電子機器などの国際規格でもその規格が規定されている試験方法です。
HASTと呼ばれることが多く、この試験できる装置を高度加速寿命試験装置を、HAST、HAST装置などと呼ばれることが多いです。
飽和プレッシャークッカー試験とは試験槽の中の湿度を100%にして行う試験です。不飽和プレッシャークッカー試験よりも過酷な状態にすることが出来るため試料の変化が確認しやすい試験になっています。主にこちらの試験をPCTと呼ぶことが多いです。そしてPCTを行える機器をPCT、PCT装置などと呼びます。
高度加速寿命試験装置としてはHASTが行われる商品の方が規格化されていることもあるために多く商品説明などにHASTと入っているものが多いです。
しかし実際には試験槽の湿度が任意で変更できるものやHAST、PCTのどちらの試験も可能なものも多いため大きな機器の差はありません。
高度加速寿命試験装置メーカー各社のメリット・デメリット
高度加速寿命試験装置を扱う主要メーカーは、国内では2社あります。各社ともに機械の特徴やメリット・デメリットがあります。
エスペック株式会社(ESPEC)
出典:ESPEC
1947年創業の環境試験器の制作販売を行っている老舗メーカーです。
日本で初めて環境試験器の開発をしたメーカーであり国内外で多くの拠点をもっており高い技術力と独自の品質保障体制で世界的に高い信頼を得ているメーカーです。
環境試験器の日本国内シェアは60%、世界シェアは30%にもおよんでいます。
高度加速寿命試験装置については複数のラインナップがあり、多くの試料に対応出来ます。
もちろん各種試験規格に対応している商品が多く製品、部品の確実な評価が出来るようになっています。
株式会社平山製作所(HIRAYAMA)
出典:HIRAYAMA
1924年創業の理化学機器、医療機器を作成、販売する老舗メーカーです。
滅菌装置メーカーとして有名ですが、その温度、湿度の制御技術を生かして高度加速寿命試験装置なども開発、販売し各分野の研究開発部門から高い評価を得ています。
高度加速寿命試験装置のランナップも多くあり、非常に小型で軽量なものなどもあり多様な使用用途に合わせた機器を提供出来るラインナップになっています。
高度加速寿命試験装置の価格相場
高度加速寿命試験装置の価格相場は100万円〜1,000万円程度です。
高度加速寿命試験装置の価格は主にその大きさ、機能に比例して高くなっていきます。
装置の特徴として高圧、高温となるため試験槽の強度を高くする必要があるため大きくなる程価格も上がっていきます。
また機能に関しても様々なモードで試験が可能であったり、試料のための電源抑制装置がついていたりとその機能が多くついているほど高くなっていきます。
小型で最低限の機能ものであっても100万円以上はしますし、大型で多機能なものであれば1,000万円近くになることもあります。
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高度加速寿命試験装置の選び方
高度加速寿命試験装置の選び方としては、まずはそのような用途で使いたいかを明確にし、どの程度の大きさが必要になるかを考えましょう。
上記でも書いたように高度加速寿命試験装置はその大きさで値段が大きく変わってくるので小型なもので事足りるのであれば小型なものが良いでしょう。
大きさが決まれば選択肢は絞られてくるでしょう。あとは必要な機能を選んでいけば最適な機器が選べるでしょう。
高度加速寿命試験装置は製造メーカーが非常に少ないため上記2社の製品を全て比べてみることも出来るので全て一度目を通してみると良いでしょう。
価格に関してははっきり明示されているものは少ないため、気になった機器があれば見積もりを出してもらい比較することも大切になってきます。
高度加速寿命試験装置のまとめ
今回の記事では高度加速寿命試験装置について解説しました。今回の記事内容を簡単にまとめます。
- 高度加速寿命試験装置とは電子部品などの寿命を評価する際に使用する環境試験機
- 主要メーカーは「ESPEC」と「平山製作所」
- 高度加速寿命試験装置の価格相場は、100万円〜1,000万円程度
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■執筆担当者:KenOs 昼は自動車整備士、夜は覆面の執筆者、趣味はバイクという、ライター界きっての機械マニア。 そんな機械に囲まれた最高の生活を送っているが、そろそろお金と美女にも囲まれたい、バイクには乗れるが時代の波にももっと上手く乗りたい……といった悩みも。 |