切断機(切断装置/設備)のおすすめメーカーと価格相場

切断機(切断装置/設備)のおすすめメーカーと価格相場

2022年7月27日

今回の記事では「切断機(切断装置/設備)」の、おすすめメーカーと価格相場について紹介します。

切断機(切断装置/設備) の種類

切断機(切断装置/設備)とは、工程で使用する産業用の機械です。分類としては大きく2つにわけられ、以下のような違いがあります。

回転刃切断

回転する刃物でワークを切断する方式です。ワークを丸鋸(マルノコ)で切断する機械というのが、イメージとして一番近いものでしょう。

ワークの素材により、使用する刃物の種類が変わるのが、本方式では一般的です。

鉄素材のワークの場合は、コールドソーを用い、非鉄素材(アルミなど)の場合はチップソーを使用します。

多くの場合、ワークの名称を用いた「○○切断機」と呼称します。

また回転する刃物の径により、切断可能な大きさ(厚さ)が限定されます。刃物が回転するため、その回転軸が必要になるからです。

例えば、φ400mmの刃物を回転させる回転軸がφ150mmのとき、切断に使える刃物の部分は、400-150=250の半分である125mmです。

そのため、切断できるワークの最大値は120mm程度になります。(※)

※ドーナツを上から見たところを思い浮かべると、分かりやすいでしょう。

ドーナツ全体の大きさが刃物の直径。真ん中の穴が回転軸の大きさ。ドーナツの部分が、切断に使える刃物部分です。

回転軸の反対側は、切断に使えません。

固定刃切断

刃物を使用し、ワークを押し切る方式です。ワークを包丁で上から押し切る機械というのが、イメージとして一番近くなります。

固定刃切断方式ではプレスの金型のような特殊な刃、あるいはワークの素材が樹脂や紙など柔らかいものや薄い金属膜などであれば、トムソン刃を使用するのが一般的です。

トムソン刃は形状をつけることが可能なので、刃物で型を作り、ワークを切断できます。

この場合、一般的に「切断」ではなく「打ち抜き」と呼ぶことがほとんどです。

多くの場合、ワークの名称を用いて「○○カット機」「○○打ち抜き機」と呼称します。また、打ち抜き機の場合、1種類のワーク(およびその類似ワーク)専用の専用機よりも、刃物の型(治具)を交換する汎用機が、一般的です。

切断機(切断装置/設備)メーカーについての紹介

産業用現場で使用される切断機の多くは「専用品(特注)」となる場合が多く、汎用品とは異なります。

その点から主要メーカーというのはありません

以下では、切断機を扱っており、なおかつ特注に対応している企業を2社ご紹介します。

有限会社チューブエンジニアリング

TUBE

出典:チューブエンジニアリング

 

1997年創業の産業機器専業メーカーです。パイプ加工金型をはじめ都市、各種金属の加工装置を設計から製造・販売まで行っています。

パイプ切断機などに強みを持つ企業ですが、本社および事業所は北関東です。

関東近郊の場合は同社に相談するのが良いですが、従業員数は7名(2022年現在)と少なく、納期などは要確認となります。

タイホー株式会社

TAIHO

出典:タイホー

 

1967年創業の産業機械専業メーカーです。自社で機械設備の設計から開発、製造までを行っており顧客の生産効率・生産システムに寄り添った機器製造を行っています。

企業規模は大きいものの主要拠点は兵庫県です。西日本であれば同社へ相談するのが早いでしょう。

 

切断機(切断装置/設備)の価格相場

切断機(切断装置/設備)の価格相場は数百万円~です

回転刃による切断の場合、刃物もしくはワークを移動させる必要があります。

また切断時の負荷が大きく振動も発生します。そのため、ワークをしっかりクランプすること。同時に、回転軸の剛性を大きくすること。この2つが求められます。

そのため、刃物やワークの移動に、油圧シリンダもしくはサーボモータを使用することで、安定的な動作を得られます。

設備金額を低く抑えるため、エアシリンダを用いることもありますが、調整が難しくなる可能性が大きい点は注意が必要です。加えて設備本体の剛性も大きくした方が、動作の安定につながります。

固定刃切断の場合は、ワークが柔らかい物や薄い物なので基本的にエアシリンダによるプレスで切断できます。

刃物が消耗品なので、刃物交換が容易で、再現性のある作りにすることが必要でしょう。

また、打ち抜きのように汎用的に用いるのであれば、治具交換の容易さと再現性に加えて、ワーク位置出しにも留意する必要があります。より大型の打ち抜き機であれば、刃物もしくはワークを、サーボモータ+LMガイドなどで移動させる場合もあります。

 

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切断機(切断装置/設備)の選び方

ワークを切断できるかどうか?について刃物メーカーと協議が必要です。

場合によっては試作機で確認するのが良いでしょう。事前に切断確認ができない場合は、安全率を多めに見積もると、その後の改修が楽になります。

回転刃による切断の場合、油圧ユニットやサーボモータの制御など、設備スペースと初期費用が大きくなりますが、実際にワークを切断していくと、回転数や送りの調整が必要になります。

そのとき、油圧やサーボモータの方が調整をやりやすく、工数を含めると、結果として安価になることが多いです。

また油圧シリンダでの移動の場合、高速と低速など、バルブ切り替えできるようにしておくことで、より調整がしやすくなります。

固定刃物の場合、動作が押し切りになるため、ワークを載せる台(治具プレートなど)が、刃物で傷つく可能性が高くなります。

刃物寿命を長くするためにも、基本的には刃物のストローク調整で台が傷つかないようにしておき、ワークを載せる台についても、交換可能な作りにしておく方が無難でしょう。

打ち抜き機など、治具交換が頻繁にある場合は位置決めブッシュとクランプレバーなど、交換作業の簡略化をしておくのも重要です。もし治具種類が限定されているなら、セット治具判別を近接などによって電気的に管理することで、コストを大きくかけずに、セット間違いを防げます。

切断機(切断装置/設備)のまとめ

今回の記事では切断機(切断装置/設備)について解説しました。今回の記事内容を簡単にまとめます。

  • 切断機(切断装置/設備)とは ワークの切断で使用される作業用の機械や装置・設備です
  • 「回転刃切断」と「固定刃切断」にわけられます
  • 基本的には専用品となるため、「切断機」を扱う企業に問い合わせを行い見積もりを取るのが良いでしょう
  • 切断機(切断装置/設備)の価格相場は推定値で数百万円~

 

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