ボトル成型装置のおすすめメーカーと価格相場

ボトル成型装置のおすすめメーカーと価格相場

2022年5月24日

今回の記事では「ボトル成型装置(ぼとるせいけいそうち)」の、おすすめメーカーと相場について紹介します。

ボトル成型装置の種類

ボトル成型装置とは、ボトル成型の工程で使用する産業用の機械です。分類としては大きく以下の4つに分けられます。

プリフォーム成型(分類1)

プリフォームは、試験管の形をしたPETボトルのプロトタイプです。加熱して金型に入れ、空気で膨らませて成形します。

コールドパリソン法(プリフォームを事前に製造し、ブロー成形を別の場所で行う方法。大量生産向け)とホットパリソン法(プリフォームの形成とブロー形成を同じ装置で一連のプロセスで行う方法)があります。

PETボトル成型押し出し方式(分類2)

押出法では、加熱液化した樹脂を中空管内の型に押し出し、内部の中空部に空気出口を設けて型面の樹脂を吹き飛ばします。

プレス冷却による加工方法で、ブロー成形機で使用される方法です。

インジェクション(注入)方式(分類3)

射出方式とは、空気を吹き出すことができる金型に樹脂をあらかじめ固定してから別の金型に移し、空気を吹き出すことで金型の表面に押し付けて冷却する方法です。

2段階で処理され、高い寸法精度を持っている点が特徴です。

延伸(ストレッチ)方式(分類4)

延伸方式は、押出法の押出成形工程において、樹脂を一度延伸した後、空気出口から空気を吹き込むことにより加工する方法です。

他のブロー成形法に比べて強度が高いのが特徴です。

ボトル成型装置メーカー各社のメリット・デメリット

ボトル成型装置を扱う主要メーカーは、3社です。各社ともに機械の特徴やメリット・デメリットがあります。

料材開発株式会社 (RYOZAI)

RYOZAI

出典:RYOZAI

 

料材開発株式会社は1997年12月に設立され、プリフォームと呼ばれる成形品を再加熱する二軸ストレッチブロー成形機を製造しています。

この方法は、ボトル成形の容易さと高い生産能力により、ボトル成形の主流となっています。

材料開発では、1台のコンパクトな設計機から12台の高速生産機まで、顧客ニーズに対応可能なモデルを多数取り揃えている点は機器選定時に大きなメリットとなります。

一方、冷却メカニズムや冷却速度や工程短縮などによる生産速度アップや時間短縮の改善などは同社の課題・デメリットです。

日精エー・エス・ビー機械株式会社(ASB)

ASB

出典:ASB

 

日精エー・エス・ビー機械株式会社は1978年に設立されたメーカーです。主に、材料の装填から成形までの一連のプロセスを自動的に実行できる1ステップの射出ストレッチブロー成形機を製造しています。

同社製品の特徴は、汎用性が高い点。医薬品、アルコール、食品、洗剤、化粧品容器など幅広い用途に使用でき、エントリーマシンとしての導入に向いている点はメリットでしょう。

また、PET、PP、PC、PES、PPSUなどの幅広い材料に対応しており、丸型から複雑な形状までさまざまな形状に成形できます。

課題は大量生産向けの商品のラインアップに向いているが、顧客の特殊な仕様設計や素材バリエーション対応には改善が必要な点。納期までの時間が長い点はデメリットといえます。

リテック・ジャパン株式会社

リテック・ジャパン株式会社は、プレスブロー成形機を中心に製造しているメーカーです。2012年創業と比較的若い企業です。

不良品の抽出・測定・判別を自動で行う機能を標準装備しているため、コスト削減が可能なブロー成形機です。

高品質、高肉厚精度で加工できるため、自動車関連のベローズブーツ、薄肉医薬品容器、化粧品容器等の製造に適しています。

従来のブロー成形で発生しがちなメルトドローダウン現象を抑える射出機構を採用。操作パネルは視認性に優れ、各種自動制御機能で簡単に操作できます。

欠点はプレスブロー成型に限定されるため、高精度が要求される分野や複雑な形状ボトルでは制限されることもあり製品のバリエーションと効率化のバランスにあります。

 

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ボトル成型装置の価格相場

ボトル成型装置の価格相場は1,000万円~5,000万円程度です

小型機やテスト機であれば1000~3,000万円、生産設備として導入する生産機は2500~5,000万円です。

特別発注、アタッチメントや効率生産、レイアウトやデリバリーを配慮する場合、装置一式で3500万円以上の価格になります。

ボトル成型装置の選び方

一般的かつシンプルなボトルを生産する場合は「生産性(特に全体冷却時間の安定化)」を重視しましょう。また、ボトル口径の歪みや精度も見るべきポイントです。

一方、ボトルが複雑な形状である場合は、金型の寿命と形状の品質確保のための「生産速度の確保」も重要です。

液体充填やボトル印刷などとの連動も考えるなら、モノの流れや全体のレイアウト面積の確保であり、ボトル成型装置の専有面積やその形状配慮などです。

ボトル成型装置のまとめ

今回の記事ではボトル成型装置について解説しました。今回の記事内容を簡単にまとめます。

  • ボトル成型装置とは、ボトル成型の工程で使用する産業用の機械
  • 「インジェクション方式」や「延伸方式」など、いくつかの分類にわけられる
  • ボトル成型装置を製造している主要メーカーは「RYOZAI」「ASB」「リテック・ジャパン」など
  • 価格相場は1,000万円~5,000万円。工場ラインなど大量生産を前提とした設備の場合は、35,000万円以上の予算計上が必要
  • 生産性だけでなくボトル口径の精度などは見ておくべきポイント。また金型の寿命なども装置に製品によって異なるため要確認

 

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