今回の記事では「すべりねじ」の、おすすめメーカーと価格相場について紹介します。
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目次
すべりねじの種類
すべりねじとは、モータなどの回転運動を直線運動に変える産業用部品です。
Mねじと台形ねじなどを総称して指す場合・Mねじのみを指す場合、と「すべりねじ」の指す製品範囲はメーカーによって様々です。
ボールねじとの違いは、ねじ軸とナット間に取り付けられるボールの有無。すべりねじはボールがないため、構造がシンプルで安価です。また異物などによりボールの脱落を心配する必要もありません。
一方でボールねじはすべりねじに比べてトルクを抑えられる点やボールによる点接触なため効率が良い点など主に性能面で優れています。
すべりねじを製造するおすすめメーカー
すべりねじを扱う主要メーカーは、約15社あります。その中でもおすすめのメーカー3社を、特徴とあわせてご紹介します。
THK株式会社(THK)
出典:THK
THKは、1971年創業「直線運動の転がり化」を世界で初めて実現したパイオニアメーカーです。LMガイド・ボールねじ部門で世界トップクラスのシェア率を誇ります。
THKでは、スクリューナット・チェンジナットという商品名ですべりねじを販売しています。スクリューナットが標準的なすべりねじ。チェンジナットは機械加工で容易に得られないリード角45°のすべりねじです。リードが大きいため低速回転で早送り機構をつくるのに最適な製品になっています。
主力であるボールねじと比べると製品の種類は少なめですが、加工技術はトップクラスで追加工の精度は安心できるメーカーです。
NTN株式会社(NTN)
出典:NTN
1918年に創業した自動車や産業機械向けにベアリングやドライブシャフト等を製造・販売する伝導機器のメーカーです。2017年の自動車用ハブベアリングで世界シェア4位(11.4%)と業界トップクラスの実績を持っています。
すべりねじを製造しているイメージはないかもしれませんが、医療機器をはじめ半導体製造設備、食品機械向けに高負荷用ミニチュア樹脂すべりねじを開発しています。従来比耐荷重2倍、耐久性3倍とアップした製品です。
すべりねじは上記製品のみのため、PPS系以外の材質を使ったナットを使用したい場合は他メーカーで検討する必要があります。
株式会社YSK(YSK)
出典:YSK
株式会社YSKは、1966年創業のシャフトを主力製品として製造・販売するメーカーです。
YSKでは、シャフトの生産技術を生かして台形ねじ軸を製造・販売しています。ねじ軸はS45CのスタンダードタイプとSUSのステンレスタイプの2種類です。ナットの材質は送り機能を満足させるため、耐摩耗に優れたBC6を使っています。(オーダーでその他の材質でも注文可能です。)
最大全長は3000mmとTHKチェンジナットCT形の最大全長4000mmまではありませんが、その他の外径などのラインナップは豊富に取り揃えています。
すべりねじの価格相場
すべりねじの価格相場は材質や全長・使用するナットによって様々。
参考価格として、スタンダードタイプのネジ軸(軸端加工なし/長さ500mm/呼び外径15mm)が1万円前後、対応するナット(フランジ形状)が3,000円〜で合わせて1.3万円〜です。
材質、加工、本数などによって価格は大きく変わるためあくまで参考価格になります。
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すべりねじの選び方
スタンダードタイプのすべりねじをお探しの方はTHKやYSKのすべりねじがおすすめです。
医療機器や食品機器などに使用する小型のすべりねじをご所望の場合は、NTNも考慮に入れて良いかもしれません。
すべりねじは加工が必要になる製品ですが、上記3社はどのメーカーも長年の実績と高い技術力があるため安心です。
すべりねじのまとめ
今回の記事ではすべりねじについて解説しました。今回の記事内容を簡単にまとめます。
- すべりねじとは、モーターなどの回転運動を直線運動に変換する産業用精密部品
- 主要メーカーは「THK」「NTN」「YSK」など
- すべりねじの価格相場は、1万円/個~
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■ 執筆担当者:matogawa お酒と映画が好きなアラサー。産業部品の商社で物流・営業として真面目に働いたもののメーカーとお客さんの間に挟まれすぎて精神的にダウン。軸受のようにどこでも必要とされるライターを目指して奮闘中です。 |