今回の記事では「ラックピニオン(ラックギア)」の、おすすめメーカーと価格相場について紹介します。
目次
ラックピニオン(ラックギア)の種類
ラックピニオン(ラックギア)とは、搬送装置、工作機械、ロボット、自動車のステアリングなど幅広い用途で使用される産業用部品です。
直線運動を回転運動に変換、もしくは回転運動を直線運動に変換できます。分類としては歯車の形状により大きく2つに分けられ、違いは以下の通りです。
①すぐ歯ラック
歯筋が平行な歯車。製作が簡単なので、コスト面では有利。
②はす歯(ヘリカルギア)ラック
歯筋がツルマキ状になっている歯車。強度や静音性に優れており、高速度での使用に適しています。歯車にトルクがかかる場合、スラストが発生するため、対策しなければなりません。
※補足:
ラック・ピニオンは、ボールねじと同じ役割を持つケースが多い製品です。
ボールねじよりもラック・ピニオンが有利な点はいくつかあります。①長尺で使用する場合、振動が少ない。(ボールねじはたわみが生じる)②モジュールの変更で、大きい荷重に耐えられるなどが主な利点です。
ラック・ピニオン(ラックギア)を製造するおすすめメーカー
ラック・ピニオン(ラックギア)を扱う主要メーカーは、約15社あります。の中でも国内シェアの高いメーカーを3社ご紹介します。
小原歯車工業株式会社(KHK)
出典:KHK
株式会社三興製作所は、1967年創業のスプロケットやギアなどを生産しているメーカーです。 三菱重工業、 住友金属工業、 東芝機械などに納入実績があります。
ラック・ピニオンのラックは受注生産にて製造しています。歯車だけでなく様々な産業部品を製造しているため、単品の部品だけでなく機能を複合させたユニット組立品、ギアユニットなどに対応できる点も魅力です。
懸念点は、ラックに関してはHPでも受注生産品と記載がある点で、納期等は在庫を多数抱えている上記2社の歯車専業メーカーよりもかかる可能性があります。
協育歯車工業株式会社(KG)
出典:KG
協育歯車工業株式会社は、1958年創業の歯車メーカーです。歯車の中でも小型歯車製造メーカーとして有名なのが特徴です。
モジュール0.5〜S45Cでモジュール5、それ以外はモジュール2〜3程度までとモジュールの大きいサイズは標準品ではないですが、広い範囲をカバーするラインナップを用意しています。
懸念点はカタログやミスミ登録品などには、はす歯ラックの掲載がない点で取り扱いの有無は確認する必要があります。(オーダー品対応可能な場合もあります。)
株式会社三興製作所(SANKO)
出典:三興製作所
株式会社三興製作所は、1967年創業のスプロケットやギアなどを生産しているメーカーです。 三菱重工業、 住友金属工業、 東芝機械などに納入実績があります。
ラック・ピニオンのラックは受注生産にて製造しています。歯車だけでなく様々な産業部品を製造しているため、単品の部品だけでなく機能を複合させたユニット組立品、ギアユニットなどに対応できる点も魅力です。
懸念点は、ラックに関してはHPでも受注生産品と記載がある点で、納期等は在庫を多数抱えている上記2社の歯車専業メーカーよりもかかる可能性があります。
ラック・ピニオン(ラックギア)の価格相場
ラック・ピニオン(ラックギア)はラックの長さや加工によって決まるため相場は様々。またラックに対応するピニオンの選定によっても価格は大きく変わっていきます。
あくまでざっくりとした参考価格になりますがラック(S45C/1m/モジュール1/高周波焼入れ)で6,000円〜、対応するピニオン(高周波焼入れ/下穴品)で3,000円〜です。
はす歯ラックの場合、すぐ歯ラック価格の約1.5倍程が多い印象です。
ラック・ピニオン(ラックギア)の選び方
ラック・ピニオンを製造している大手メーカーはそれほど多くありません。
今回は実績があり、加工精度にも評判の高い3社をご紹介しました。
やはりラインナップ数ではKHKが3社の中では一番多く取り揃えています。
またヘリカルラックを標準型式として置いているメーカーもKHKのみでした。小型であれば協育・ユニット品であれば三興製作所に相談してみても良いかもしれません。
ラック・ピニオン(ラックギア)のまとめ
今回の記事ではラック・ピニオン(ラックギア)について解説しました。今回の記事内容を簡単にまとめます。
- ラック・ピニオン(ラックギア)とは直立運動を回転運動に変換する精密部品
- 「すぐ歯ラック」や「はす歯ラック(ヘリカルギア)」などにわけられる
- 主要メーカーは「小原歯車」を筆頭とし、全国に15社ほど
■ 執筆担当者:matogawa お酒と映画が好きなアラサー。産業部品の商社で物流・営業として真面目に働いたもののメーカーとお客さんの間に挟まれすぎて精神的にダウン。軸受のようにどこでも必要とされるライターを目指して奮闘中です。 |