今回の記事では「平歯車(スパーギヤ/Spur Gear)」の、おすすめメーカーと価格相場について紹介します。
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目次
平歯車の種類
平歯車とは、円筒形で回転軸に対して平行に切った歯車を指し、大歯車と少歯車(ピニオン)を組み合わせて使用する精密部品です。
生産コストが低く、量産が出来る点や様々な材質で生産可能な点など利点も多く、幅広い分野で使われている産業機械には、なくてはならない部品です。
分類としては材質によって大きく3つに分けられ、以下のような違いがあります。
①樹脂素材平歯車:
材料はMCナイロンやポリアセタールを使用することが一般的です。
ボス付き平歯車の場合、ボス部のみS45C(炭素鋼)やSUS(ステンレス)素材の製品もあります。
価格面や無給油で使用できるなどのメリットがある一方で、高温下や高負荷では使用が制限されます。
②SUS平歯車:
ステンレス製の平歯車。耐食性に優れ、食品機械などで使用されます。
素材はSUS304(※)が広く使われていますが、海水に強いSUS316や切削加工のしやすいSUS303などの歯車もあります。
※SUS〇〇〇:オーステナイト系ステンレス
③S45C(炭素鋼)平歯車:
最も普及している平歯車で、金属素材の中では安価に手に入る点がメリットです。
また高周波焼入れ加工を入れることで、さらに表面の強度を高められます。
平歯車メーカー各社のメリット・デメリット
平歯車を扱う主要メーカーは、10社あります。
歯車は、動力伝導部品として長い歴史が有り、古くから生産している中小企業も多く、日本歯車工業会への登録企業は100社以上(平歯車以外を製造しているメーカーも含む)。
今回は、その中でも国内シェアの高い3社を対象に特徴やメリット・デメリットをご紹介します。
小原歯車工業株式会社(KHK)
出典:KHK
小原歯車工業は、1935年に創業した標準歯車の国内シェア率が7割を超える歯車メーカーです。
少量・多品種を在庫として持つことで、短納期を実現しており、メーカー在庫品であれば最短2日ほどで手元に届きます。
国外での認知度はまだ浅いものの、昨今は海外シェアも伸ばしつつあるメーカーとして知られています。
海外代理店は各地域にありますが、直接やり取りを行える営業所が少ない点は注意が必要。海外案件のメンテナンス対応は確認したほうが良いでしょう。
協育歯車工業株式会社(KG)
出典:KG
協育歯車は、1958年創業の歯車メーカーです。歯車の中でも、小型歯車製造メーカーとして有名なのが特徴です。
2020年6月に改正された商品衛生法や米国・EUの食品接触用途にも適合した青POMギヤシリーズを新たに発売。
標準在庫品の種類では、KHKの方が選択肢は多いため注意が必要です。
株式会社ニッセイ(Nissei)
出典:Nissei
ニッセイは、1942年創業のギアモーターや減速機、そして歯車を製造する産業機器メーカーです。
近年では、ロボット向け高精度歯車の製造にも注力。一般産業向け平歯車も製造しており、モジュール6・外径φ300までが対応するキャパシティとなります。
平歯車の価格相場
平歯車の価格相場は最も一般的なS45C平歯車(高周波焼入れ無し)モジュール・歯数・外径最小の製品で約700円〜モジュールが最大の10で約30,000〜です。
材質の違いでは樹脂素材・S45C・SUSの順で高くなる傾向にあります。
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平歯車の選び方
例えば食品加工機であればKG、協働ロボットであればニッセイなど、メーカーがそれぞれ得意としている分野があります。
まずは使用用途に合わせてメーカーを選ぶのが良いでしょう。
標準品で特に希望がなければ、KHKが取扱い商品も豊富で網羅性がありおすすめです。
平歯車のまとめ
今回の記事では平歯車について解説しました。今回の記事内容を簡単にまとめます。
- 平歯車とは大歯車と少歯車(ピニオン)とを組み合わせて使用する精密部品
- 平歯車を構成する素材によって、用途や種類が異なる
- 歯車を製造する企業は数多くあるが、大手では小原歯車工業や協育歯車工業、ニッセイなどが有名
- 平歯車の価格相場は数百円~数万円と、使用用途、構成素材、歯数、外形などで大きく異なる
- 使用する分野によって、得意としているメーカーが異なる。選定の際は使用用途でメーカーを選定するのが良い
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