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横型フライス盤のおすすめメーカーと価格相場
横型フライス盤とは、切削工具を回転させることで金属などを切削することが出来るフライス盤の中でも主軸が水平方向になっている産業用の機器です。
立型フライス盤と比べて溝入れや切断加工に適しており、板状の加工物の側面の加工は横型フライス盤でしか出来ませんし、立型フライス盤では加工出来ない深穴加工などにも適しています。
「横中ぐり盤」と呼ばれることもあります。
横型フライス盤は大きく3種類に分けることが出来ます。
しかし、手動式の横型フライス盤の場合にはほとんどが「ヒザ型」が採用されています。
ヒザ型フライス盤:
主軸に取り付けられた刃物(フライス)はその場で回転のみし、加工物が固定されたテーブルが上下前後左右し、加工物を切削するフライス盤です。
ラム型フライス盤:
加工物がおかれたテーブルが上下左右し、主軸は前後にのみ移動するフライス盤です。
「ヒザ型フライス盤」の1つに分類されることもあります。
ヒザ型、ラム型に共通しているメリットが加工がずっと同じ高さで行える点です。
目線に高さを合わせることで視認性が良くなり細かな作業に向いています。
ベッド型フライス盤:
主軸が上下に、テーブルが前後左右に動くフライス盤です。
テーブルが上下しない構造であるため一番剛性が高く、大量生産に向いています。
また上位機種として
・NCフライス盤:切削する範囲や深さなどをあらかじめ数値化しておきコンピューターに打ち込んでおくことで自動で切削してくれる機器
・マシニングセンタ:NCフライス盤の機能に加えて刃物の交換も自動で行ってくれる機器
などもあります。
NC機器であっても立型フライス盤の場合には一面からの加工しか出来ませんが横型であればベッドが360度回転するものもあり、加工物を固定し直すことなく4面の加工が可能な機種もあります。
メーカー各社のメリット・デメリット
横型フライス盤を扱う主要メーカーは10社程度あります。
横型マシニングセンタ、横型NCフライス盤などを含めるともう少し多くのメーカーが扱っています。
立型フライス盤を扱っているメーカーの多くは横型フライス盤も扱っていることが多いので立型フライス盤の記事も参考にしてみて下さい。
ここでは立型フライス盤で紹介していない2社を紹介します。
株式会社 静岡鐵工所
1877年創業の老舗の工作機器メーカーです。
自動で精密な加工が可能なマシニングセンタから手動で加工するフライス盤まで切削機器をメインに作成しているメーカーで累計納入台数も3万台以上と信頼性の高いメーカーとなっています。
横型フライス盤についても複数の機種を販売しています。
株式会社 イワシタ
1949年創業の金属加工機械の設計、製造を行う専門メーカーです。
フライス盤やマシニングセンタはもちろんさまざまな金属加工機械をニーズに合わせて半オーダーメイドの形式で受注生産しています。
納入実績も有名メーカーから官公庁、教育機関まで幅広く信頼性の高いメーカーとなっています。
横型フライス盤の価格相場
横型フライス盤の価格相場は100万円〜1,000万円程度です。
横型フライス盤は立型フライス盤と比べ
- 構造上小型なものは少なく大型なものが多い
- 販売されている機種も少ない
ということがあり低価格な製品はあまりありません。
価格を公表しているメーカーも少ないため中古価格などからの予想にはなりますが、安いものであっても100万円以上はすると考えられ、高いものでは1,000万近くまたはそれ以上することが考えられます。
また上位機種のNCフライス盤やマシニングセンタは数千万円から2億円近くと価格は跳ね上がります。
横型フライス盤の選び方
横型フライス盤の選び方としてはどのような精度で、どのようなものを加工したいかが明確になってくればおのずと選択肢は絞られてくるはずです。
横型フライス盤は手動式の場合はヒザ型がほとんどであり、種類での選択肢はあまりないと言えるでしょう。
大きさやどの程度の精度を求めるかによって製品は決まってくるでしょう。
また多面加工や精密な加工にはNC機器も選択肢に考えることも必要かもしれません。
まとめ
今回の記事では横型フライス盤について紹介しました。内容を簡潔にまとっめると
- 横型フライス盤は金属などの切削作業をする産業用の機械
- 種類としては「ヒザ型」「ラム型」「ベッド型」があるが「ヒザ型」が主流、上位機種として「NCフライス盤」「マシニングセンタ」などがある
- 「静岡鉄工所」などをはじめ10社程のメーカーが販売している
- 横型フライス盤の価格は100万円~1,000万円と比較的高額で大型なものが多い
となっています。