目次
横型マシニングセンタの価格相場
加工する対象の大きさが大きいほど、価格が高額になります。
ワークサイズ | 価格相場 |
---|---|
50センチ四方 | 3,000万円~5,000万円 |
60センチ四方 | 4,000万円~7,000万円 |
80センチ四方 | 5,000万円~9,000万円 |
100センチ四方 | 1億円前後 |
さらに小型の横型マシニングセンターであれば、1,000万円程度で導入できるものもあります。
また切削工具や潤滑油などの消耗品、定期点検などランニングコストも把握しておく必要があります。
横型マシニングセンター価格のクチコミ
加工専用機としてDMG森精機の横型マシニングセンターであるnh5000を1,000万円で購入しました。(機械加工プログラマー)
横型マシニングセンタの種類
横型マシニングセンタとは、切削用の刃物が水平方向に取り付けられたワークを横から加工するための産業用機械です。分類としては大きく3つに分けられ、以下のような違いがあります。
主軸30番:
主軸30番とは、主軸の規格サイズが30番(φ31.750)の大きさのものを搭載した小型モデルの横型マシニングセンタです。
小型の軽量ツールを搭載しているため、刃物の高速回転や高速送りが可能であり、加工時間の短縮が期待できます。
小型のため省スペースでの設置が可能であり、自動車部品加工の大量生産ラインに多く導入されています。
主軸40番:
主軸40番とは、主軸の規格サイズが40番(φ44.450)の大きさのものを搭載した中型モデルの横型マシニングセンタです。
下穴を更に広げる中ぐり加工や大型カッターによる深穴加工が可能であり、おもに金型加工で採用されています。
切削抵抗の大きい重切削には不向きですが、機体サイズに比べて広い加工領域に対応しており、汎用性の高いモデルです。
主軸50番:
主軸50番とは、主軸の規格サイズが50番(φ69.850)の大きさのものを搭載した大型の横型マシニングセンタです。切削抵抗の大きい重切削が可能であり、鋳鉄や大型ワークの加工に適しています。
横型マシニングセンタの特徴でもある加工時の切屑の排出性に優れているため、大型金型などの長時間を要する加工も可能です。
横型マシニングセンタを製造するおすすめメーカー
横型マシニングセンタを扱う主要メーカーは27社あります。その中でもおすすめのメーカーをご紹介します。
DMG森精機株式会社|泣く子も黙る世界的巨大メーカー
出典:DMG MORI
ドイツのトルンプに次いで世界第2位のシェアを持つ(2023年時点)のメーカーとなりました。マシニングセンタ、複合加工機、5軸加工機などのハードだけでなく、ソフトウェアも併せて提供しています。自動車メーカーで多く採用されており、他にも航空機、医療、建機などの業界で愛用されています。
世界中での知名度と顧客基盤、製品ラインナップ、技術力だけでなくデザイン性にも強みが有りますが、ハイエンド機が中心になっているので価格水準が高いのでユーザを選ぶ企業と言えます。
DMG森精機の横型マシニングセンターのクチコミ
DMG森精機のnh5000を使っています。使い慣れたDMGの横型マシニングセンターでモニター等も見やすく使い勝手がいいので 高評価です。(機械加工プログラマー)
ヤマザキマザック機株式会社
ヤマザキマザック株式会社は1919年創業のマシニングセンタや複合加工機、NC装置など開発から生産、販売まで手がける大手工作機械メーカーです。
愛知県に本社をかまえ、国内10ヵ所の製造拠点と世界70カ所以上に拠点を設け、万全のサポート体制でさまざまな産業を支えています。
日系大手工作機械メーカーとして、独創的なアイデアが盛り込まれた高い製品開発力を強みとしています。
株式会社牧野フライス製作所
株式会社牧野フライス製作所は1937年創業のマシニングセンタやフライス盤など、工作機械の設計から製造、販売まで手掛けるメーカーです。
東京都をはじめ国内主要都市含め、全国17ヵ所で拠点をかまえており、近年ではアメリカや中国、ヨーロッパに輸出しています。
工作機械の主軸の剛性が高く、高速回転でもぶれずに加工できる技術が強みであり、金型加工で多くの採用実績があります。
東洋精機工業株式会社
東洋精機工業株式会社は1956年創業のマシニングセンタや半導体関連装置の開発から製造、販売まで手がける工作機械メーカーです。
長野県に本社工場をかまえ、その他国内に製造拠点と営業所、アメリカやインドネシアにも現地法人を設立しグローバルに事業を展開しています。
小型のマシニングセンタや多軸のボール盤を強みとしており、自動車部品加工ラインで多くの採用実績があります。
横型マシニングセンタの選び方
加工したいワークの大きさと種類で選定しましょう。
各メーカーの機体によって異なりますが、加工可能な有効寸法が定められていますので事前に確認しておく必要があります。
設置スペースが確保できない場合や小型のワーク、自動車部品の加工であれば小型タイプ、金型加工含め幅広く加工をおこなう見込みであれば中型タイプが適しています。
重切削が必要な鋳物や大型金型などの加工であれば大型モデルを検討しましょう。その他横型のメリットとして、高さのあるワークの加工や、切り屑の排出性に優れているので加工精度を要する加工が必要な場合にも適しています。
横型マシニングセンタのまとめ
今回の記事では縦型マシニングセンタについて解説しました。記事内容を簡単にまとめます。
- 横型マシニングセンタは加工刃物が水平方向に取り付いており、横から加工する産業用機械
- 「主軸30番」「主軸40番」「主軸50番」に分類されており、数字が大きいほど主軸径が太く、機体サイズも大型になる
- 主要メーカーは「ヤマザキマザック」「牧野フライス」など国内主要27社
- 横型マシニングセンタの価格相場は1,000万円から1億円程度
- 機体の選定基準は加工したいワークサイズと種類