液流染色機のおすすめメーカーと価格相場

液流染色機のおすすめメーカーと価格相場

2022年5月31日

今回の記事では「液流染色装置(えきりゅうせんしょくそうち)」の、おすすめメーカーと価格相場について紹介します。

液流染色機 の種類

液流染色装置は、染色の工程で使用する産業用の機械です。

液流とは布帛(ふはく)や染液(せんえき)を筒の中で回転させながら染色する方法です。

分類としては大きく3つに分けられ、以下のような違いがあります。

常圧型

98℃以下の常圧で染色可能な綿やウールなどの動植物繊維素材の染色に主に使用されています。

形態としては布帛またはニットが適用されます。生産の回転調整が容易なのが利点です。

高圧型

主に120~130℃で高圧染色する場合で、ポリエステルなどの合成繊維の染色に用いられます。

ただ、フラットな織編み物ではロープ状のしわが入るのが難点です。

縦型フロー

落下長10メートル近くの縦型のチューブ内で染色する方式です。

落下による衝撃圧を利用することで布帛へのもみ効果や繊維間のばらけが得られます。

主にバルキー商品の仕上げに向いています。

液流染色機メーカー各社のメリット・デメリット

液流染色装置を扱う主要メーカーは、3社あります。各社ともに機械の特徴やメリット・デメリットがあります。

株式会社日阪製作所

株式会社日阪製作所は創業1942年で、布帛の染色加工機械設備を中心に需要を伸ばしてきました。「サーキュラー」の開発は、低浴率による省エネ効果や資源節約などを期待できる同社の主力装置です。

これまで加工品質の安定化と生産性の向上を中心に、多種多様なモデルを提供。顧客ニーズに合った装置を開発しており、目的別のシステムを追加することで、低コスト、高生産性、高品質、安定した加工品質を提供しています。

同社唯一の欠点は、綿や糸を設置固定した染液のみ回転する糸綿染染色設備がないことです。

日鉄ステンレス加工株式会社

日鉄ステンレス加工株式会社の設立は1948年。小ロット・大量生産の双方に対応可能で、繊細な素材を柔らかく安定して走査可能な液量染色装置を開発・製造・販売しています。

同社製品の特徴は、無駄のない効率作業による「生産性向上」を目指した設備を製造している点。天然繊維から複合繊維、織物から編物、重量物から軽量物まで、フロントシーズンからバックシーズンまでを完全対応している点もメリットです。

一報、同社の課題は設備生産キャパシティーがあげられます。

株式会社テクサム技研

株式会社テクサム技研は2015年設立。液流染色機(アンダーフロータイプ)の機械製造・販売で業容を拡大してきました。

ジェット染色機、低い射出圧力での循環、水平注入など循環機能面に定評があり、また染色に必要なマルチコントロールシステムによる精度の良いカラーマッチング技術がある点も強みでしょう。

ただし大型生産設備の制作にはやや不慣れ点がデメリットとも言えます。

液流染色装置の価格相場

液流染色装置の価格相場は500万円~3,000万円程度です

定型販売もありますが、基本的には受注製作。容量の規模によって価格が異なり、小型やプラント機であれば500万円~1,000万円程度です。本格的な生産機の場合は2,000万円~3,000万円が価格相場です。

前工程の取り込みや染色後の工程取込み(例えば、拡布、乾燥)を入れると、35,000万円超の価格帯です。

 

【液流染色装置のお見積り依頼はコチラから】

 

液流染色装置の選び方

生産装置としての導入であれば、生産の効率化とレイアウト(設置面積)、将来的な増産の可能性などを考慮して液流染色装置を選定しましょう。

特に布帛がプレーン主体か厚地のダブル幅か、あるいはパイルバルキー商品か?などによって、装置に求められるスペックも異なります。

液流染色機・装置のまとめ

今回の記事では液流染色装置について解説しました。今回の記事内容を簡単にまとめます。

  • 液流染色装置は染色の工程で使用される機械
  • 「常圧型」「高圧型」「縦型フロー」などの方式がある
  • 主要メーカーは、日阪製作所や日鉄ステンレス、テクサム技研など
  • 液流染色装置の価格相場は500万円から3,000万円。容量の規模によって価格が異なる
  • 液流染色装置は生産性や効率、装置の大きさなどを総合的に勘案しながら導入するのが良い

 

【産業機器に関するお問い合わせはコチラから】