今回の記事では「エアシリンダ」の、おすすめメーカーと価格相場について紹介します。
目次
エアシリンダの種類
エアシリンダとは、供給される圧縮空気の圧力差を利用して直動運動を行う筒状の精密部品です。
押す・引く力を応用して重量物を運ぶ、持ち上げるなど使用用途は多岐に渡り様々な工程で使用されています。
分類としては大きく2つに分けられ、以下のような違いがあります。
①単動式エアシリンダ:
単動式はポートが1つのエアシリンダです。エア圧でロッドを引き込む方式と押し出す方式に分けられます。
内部にバネが内蔵されており、エア圧を抜くとバネの力で元の位置に戻る仕様です。
②複動式エアシリンダ:
複動式はポートが2つのエアシリンダです。それぞれのポートから圧縮空気を供給・排出して、ロッドを押したり引いたりする動作が行えます。
内部構造が簡単で単動式のようにバネの劣化を心配しなくても良いのが大きな特徴です。複動式の方が単動式より普及しているのも以上の理由から。
ただし安全上、圧縮空気が供給停止しても駆動ロッドが元の位置に戻らなければならない場合は、単動式が組み込まれます。
エアシリンダメーカー各社のメリット・デメリット
エアシリンダを扱う主要メーカーは、約20社あります。その中から、国内シェアの高い3社をご紹介します。
SMC株式会社(SMC)
出典:SMC
SMC株式会社は、1959年焼結金属工業株式会社として創業したメーカーです。1986年に現在のSMC株式会社に社名変更した空気圧機器部門で国内外トップシェアを誇っています。
エアレギュレータの記事でも紹介したとおり同社のホームページ上で必要機器を選定しやすいのが特徴です。
リニューアルした製品のほとんどは取り付け互換性を持っていますが、CG1などは、取り付け互換性あり・一部製品のメンテナンス部品に互換性なしのため置き換えの際は注意が必要です。
CKD株式会社(CKD)
出典:CKD
CKD株式会社は、1943年創業の自動機械装置や空気圧制御機器を製造・販売するメーカーです。
空気圧機器部門でも国内シェアトップクラスを誇り、エアシリンダ単体のみならず、ガイド付きシリンダやロッドレスシリンダなど様々なタイプを製造・販売しています。
SMCに負けないラインナップを誇る一方、懸念点は複動ピンシリンダの最小内径がφ6からといった点。(SMCはφ4の小口径から)
※単動であればφ2.5、φ4の製品はラインナップはあります。
株式会社コガネイ
出典:KOGANEI
株式会社コガネイは、1934年にドイツ工作機械の代理店として始まり、現在は産業用機器から医療機器まで幅広く製造・販売しているメーカーです。
ロボット分野にも強く、エアシリンダとの連携を前提としたエアハンドの生産も行っています。
HP上で見積り・購入も可能ですが、見積りはFAXでの送信、購入の場合は選択式ではなく型式を購入者自身で打たなければならないなど、やり取りの不便さが懸念点として挙げられます。
エアシリンダの価格相場
エアシリンダは基本的に内径・標準ストローク・配管チューブなど一点一点がオーダー品です。そのため、以下は想定値で価格を算出しています。
- 標準単動シリンダ(内径φ20・ストローク10mm)で約6000円〜になります。
- 同じ内径・ストロークで複動型は約7000円〜です。(オプションなしでの参考価格です。ご注意ください。)
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エアシリンダの選び方
エアシリンダはメーカーによる性能差が少ない製品です。
特殊仕様の場合は、取り扱っていないメーカーもあるかもしれませんが、通常仕様のエアシリンダであれば上記3社に見積もりをとってみるのが良いでしょう。
シリンダの選定にはSMCのHPが便利なのでぜひ確認してみてください。
エアシリンダのまとめ
今回の記事ではエアシリンダについて解説しました。今回の記事内容を簡単にまとめます。
- エアシリンダとは、圧縮空気の圧力差を利用して直動運動を行う筒状の精密部品
- 「単動式」や「複動式」の2種類がある
- 主要メーカーは「SMC」「CDK」「コガネイ」を筆頭に20社ほど
- エアシリンダの価格相場は、想定値で6000円~(ただし標準品の場合)
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