電磁ブレーキのおすすめメーカーと価格相場

電磁ブレーキのおすすめメーカーと価格相場

2022年12月15日

今回の記事では「電磁ブレーキ」の、おすすめメーカーと価格相場について紹介します。

 


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電磁ブレーキの種類

電磁ブレーキとは、通電により動力や回転運動を制御する産業用部品。

動作原理が似ているため「電磁クラッチ・ブレーキ」として一つにまとめて紹介するメーカーが多い部品になります。

クラッチとの大きな違いは「動力を止める・停止した状態を保持する」点。分類としてはトルクを発生させるための方法によって4つに分けられ、以下のような違いがあります。

※電磁クラッチでも下記と同じ分類が可能です。

①摩擦式

構造が簡単なため安価であり、制御性にも優れています。産業用として最も需要の多いタイプです。摩擦式の中でもさらに油を必要としない乾式と、油で潤滑と冷却を行う湿式に分けられます。

②かみあい式(噛み合い式)

ギアの噛み合わせのパワーによって伝達トルクを発生させます。摩擦式と比べるとスリップがないため、発熱やエネルギー損失のない点が魅力です。ただし連結時には停止または低速で行う必要があります。

③空隙式

空隙式の中でもさらにパウダ式・ヒステリシス式・渦電流式の3つに分類できます。

  1. パウダ式

    通電すると内部のパウダが結合しトルクを伝達します。連続スリップ状態で使える点が特徴の一つ。通常のパウダは湿気に弱い点がデメリットです。

  2. ヒステリシス式

    パウダ式と似たような構造のタイプですが違いは摩擦力を使わない点。磁力のみの非接触であるため、摩耗する部分がなく耐久性に優れています。ただし伝達トルクが小さく、大きなトルクを必要とする機器などには使えません。

  3. 渦電流式

    インダクション式とも呼ばれ、ヒステリシス式同様非接触のタイプで耐久性に優れています。制御精度ではパウダ式やヒステリシス式の方が優れています。

 


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電磁ブレーキを製造するおすすめメーカー

電磁ブレーキを扱う主要メーカーは、約30社あります。その中でも国内シェアの高いメーカーを3社ご紹介します。

シンフォニアテクノロジー株式会社(旧・神鋼電機株式会社)

sinfonia

出典:SINFONIA

シンフォニアテクノロジー株式会社は、1917年創業の老舗メーカーです。産業機器から航空宇宙など取り扱い製品が多く、電磁クラッチを含むモーション機器は売上の3割ほどを担っています。

超小型無励磁作動ブレーキSBRは世界最小クラスを誇り、2018年の「モノづくり部品大賞」も受賞している製品です。医療支援ロボットや卓上ロボットなどで使われています。

また2022年にはそのSBRにさらなる薄型化と内径の拡大を実現した『スリムブレーキ』を開発。薄型・大中空径シリーズが登場し、ますます使用用途が広がっています。

小倉クラッチ株式会社

OGURA

出典:小倉クラッチ

小倉クラッチ株式会社は、1938年創業のクラッチ・ブレーキ専業メーカーです。産業用ではありませんが、カーエアコン用クラッチは世界で圧倒的シェアを誇り、その技術力は世界で認められています。またデンソーグループや三菱重工サーマルシステムズグループなど名だたる企業が主要取引先として挙げられています。

複写機などにはAMシリーズ、木工機械にはVシリーズ、ロボット用にはRNB-Nシリーズなど使用箇所やブレーキの働きによって細かく分類されているので、使用想定に合わせて選定できる点がメリットです。

2022年10月より一般産業用ブレーキの一部製品型式が、標準在庫から受注生産品へと変更しているのでご注意ください。

三菱電機株式会社

mitsubishi

出典:MITSUBISHI

三菱電機株式会社は1921年設立の日本が誇る大企業です。駆動機器も製造・販売しており、電磁ブレーキ・クラッチ部門でもラインナップを展開しています。

電磁ブレーキとしてはパウダブレーキを製造・販売中です。コンパクトにしたマイクロシリーズや熱放散を良くし、熱容量を大きくしたZA-Yシリーズなど2022年現在7種類があります。

また三菱電機ならではの取り組みとしてフィルムや包装業界向けに「ロールtoロール制御機器」と称したユニットでの納入を提案。三菱電機製のFA機器を組み合わせて、ネットワークの構築やラインの見える化など業務の効率化につながる点をメリットとして挙げています。

電磁クラッチ・ブレーキ部門で製造していたヒステリシス式が2017年に生産中止になっているため、今後パウダ式でも生産の縮小があるかもしれません。

 


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電磁ブレーキの価格相場

電磁ブレーキの価格相場は、摩擦式の電磁ブレーキで約1万円~200(N・m)以上対応で約15万円〜

摩擦式が一番安価です。また必要数のブレーキ・クラッチを組み合わせたクラッチユニットになると50万円を超える製品もあります。

※価格はECサイト等の参考価格。仕様変更や発注数によって価格は変動します。

 


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電磁ブレーキの選び方

電磁ブレーキの種類が豊富な国内メーカーは、シンフォニアテクノロジーか小倉クラッチなので、まずは2社の納期や単価を参考に考えてみると良いでしょう。

パウダ式の電磁ブレーキであれば、三菱電機もおすすめです。

また上記3社以外に三木プーリも電磁ブレーキの種類を豊富に揃えています。

 


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電磁ブレーキのまとめ

今回の記事では電磁ブレーキについて解説しました。今回の記事内容を簡単にまとめます。

  • 電磁ブレーキとは通電により動力や回転運動を制御する産業用部品
  • 「摩擦式」や「かみあい式」「空隙式」など、様々な種類がある
  • 主要メーカーは「シンフォニアテクノロジー」を筆頭に、全国で30社ほど
  • 電磁ブレーキの価格相場は、数万円~数十万円程度

 


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■ 執筆担当者:matogawa
お酒と映画が好きなアラサー。産業部品の商社で物流・営業として真面目に働いたもののメーカーとお客さんの間に挟まれすぎて精神的にダウン。軸受のようにどこでも必要とされるライターを目指して奮闘中です。