スプロケットのおすすめメーカーと価格相場

今回の記事ではスプロケットについて解説します。

スプロケットの種類

スプロケットとは、チェーンとともに使用される産業用部品です。一般的に歯車同士が噛み合って駆動する部品を「歯車」、チェーンを介して駆動する部品を「スプロケット」と呼びます。分類としては大きく3つに分けられ、違いは以下のとおりです。

A型スプロケット(ボスなし型):

ボスがなく、薄い1枚板のスプロケット。ベタと呼ぶメーカーもあります。低速や荷重はあまりかからない用途での使用に適しています。

B型スプロケット(片ボス型):

片方のみボスが付いているスプロケット。スプロケットを機械に固定でき、軸にかかる懸垂荷重(O.H.L)の減少が可能です。高速回転での使用に適しています。

C型スプロケット(両ボス型):

両面に同じ厚みのボスが付いているスプロケット。ピッチ径が大きく、軸にかかる重量が大きい場合に使用され、負荷が大きくなるとより大きなボスが必要です。高荷重・低速回転での使用に適しています。

2列スプロケット:

2本のチェーンを駆動する際に使用されるスプロケット。2列スプロケットの中でもA型・B型・C型が存在します。

スプロケットを製造するおすすめメーカー

スプロケットを扱う主要メーカーは、約15社ほどです。その中でもおすすめのメーカーを製品の特徴とあわせて3社ご紹介します。

片山チエン株式会社(KANA)

片山チエン株式会社は1958年創業のスプロケット・チェーン等を製造・販売するメーカーです。スプロケットは国内シェアNo.1を誇ります。

 

標準スプロケットのほか軸穴完成品のフィニッシュドボアスプロケット、歯先硬化仕様のハイグレードスプロケット、材質にSUSを使用した特殊用途スプロケットなど最大手だけあり豊富な種類を取り揃えています。また公式ECサイトでは標準価格だけでなく1日10回の在庫更新データが公表されており、メーカーの在庫確認に手間がかかりません。近年まで海外支店は中国のみでしたが2019年タイに支店を設立するなど徐々にグローバル化に対応してきています。

株式会社三興製作所

株式会社三興製作所は1967年創業の伝導部品・一般機械部品を製造・販売するメーカーです。納入先としては、三菱重工業・ 三井造船・トヨタ車体などそうそうたる企業が並んでいます。

 

B型スプロケットは、削り出しの一体型とボス部を溶接した溶接型とに分かれています。さらに現行品のB型よりもボス幅の広い旧B型も製造しており、需要の高いB型スプロケットの種類が豊富です。取引先の評価として、海外品の「安価だけど不良が多い」「納期通りに入らない」などの心配がないといった声もHPで紹介されています。

株式会社椿本チエイン(TSUBAKI)

株式会社椿本チエインは1917年創業のメーカーです。産業用部品からマテハンシステムの構築まで幅広く手掛けています。電動シリンダ・ウォーム減速機・カムクラッチなどいくつもの製品で国内トップシェアを誇る企業です。

 

B・C型には「TOUGH TOOTH」という耐久性や強度をアップした製品があります。さらに特殊コーティングのオプションにより歯先の硬さがHV800以上にもなり、よりハードな環境で使用できます。またナイロン系樹脂素材のエンプラタイプスプロケットも製造。無潤滑運転が可能で軽負荷用途に適しています。(B形スプロケットのみ)

スプロケットの価格相場

スプロケット(下穴品)の価格相場は(A型/呼び番号40/歯数12)は約500円〜(A型/呼び番号40/歯数70)で約1万円程度です

 

同じ呼び番号・歯数の場合、B型は約1.5倍ほど、C型は約3倍ほどの価格相場となります。ただしSUS仕様や高剛性仕様などのオプションを付けた場合はさらに価格が上がりますので、ご注意ください。

スプロケットの選び方

スプロケットはメーカー加工の上、納入されるケースが多い製品です。加工技術に関しては上記3社とも日本トップクラスの技術を持ったメーカーです。標準品のラインナップは3社とも大きな違いはありませんが、1・2個緊急で必要な場合には片山チエンのECサイト利用が便利です。B型ナイロンタイプを購入したい場合には上記3社では、椿本チエインのみ取り扱っています。

スプロケットのまとめ

  • スプロケットは産業用の精密部品
  • 主要メーカーは「片山チエン株式会社」を筆頭に15社ほど
  • 価格相場は数万円程度