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ディスクカップリングの種類
ディスクカップリングとは、主にモーターと従動軸をつなぐ際に使用される産業用部品です。カップリングは回転軸のずれ(ミスアライメント)や衝撃・振動を吸収する役割があります。中でもディスクカップリングはバックラッシュがない点からサーボモータやステップモータとの相性が良い製品です。
カップリングにはディスクカップリング(ディスクタイプ)のほかに、スリットカップリング(スリットタイプ)やオルダムカップリング(オルダムタイプ)などがあります。スリットタイプは許容トルクが低いもののディスクタイプ同様バックラッシュがないため負荷の低いサーボモータやステップモータとの相性が良い製品。オルダムタイプは許容できるミスアライメントが大きい点からインダクションモータとの相性が良い製品です。
ディスクカップリングを製造するおすすめメーカー
ディスクカップリングを扱う主要メーカーは、約20社です。その中でもおすすめのメーカーを製品と合わせて3社ご紹介します。
鍋屋バイテック会社(NBK)
鍋屋バイテック株式会社は1940年設立の機械部品を製造・販売するメーカーです。創業は1540年と老舗メーカーでありグッドデザイン賞など数々の賞に選出されています。
ディスクカップリングは13タイプあり、2019年に高剛性制振カップリング「XGHWシリーズ」を発売。高剛性ディスクカップリングに動吸振器を付属し、振動抑制機能を高めた製品です。XGHWシリーズはエストラマ(ゴム性の素材)カップリングでは対応しきれないような高い応答性と高トルクの両方が必要な部分での使用に適しています。ラインナップは小型(精密)カップリングがメインである点は注意が必要です。
株式会社椿本チエイン(TSUBAKI)
株式会社椿本チエインは1917年創業のメーカーです。電動シリンダ・ウォーム減速機・カムクラッチなどいくつもの製品で国内トップシェアを誇ります。2022年7月にはアメリカのフレキシブルカップリング専業メーカーを子会社化し北米に製造拠点を持つなどカップリング分野にも力を入れている企業です。
椿本チエインでは「エクトフレックス」という商品名でディスクカップリングを販売しています。NERシリーズは従来の「部品点数が多い」「締め付けトルクが高い」といった組立作業の時間を減らすディスク・スペーサを一体化したセンタユニット構造が売りの製品です。またNEHシリーズはトルク範囲が8820〜176000N・mで使用可能な大型ディスクカップリング。小型から大型までカバーしています。
三木プーリ株式会社(MIKI)
三木プーリ株式会社は1939年創業の伝動機器を製造・販売するメーカーです。電磁ブレーキは国内シェアトップクラスの実績があります。インド・ヨーロッパ・米国などにグループ会社を持っておりグローバルに事業を展開する企業です。
三木プーリでは「サーボフレックス」という分類でディスクカップリングを販売しています。ラインナップはスタンダードなSFS、中小容量向けのSFC、フィードシャフト向けのSFF、メインシャフト向けのSFM、ハイトルク仕様のSFHの5種類です。またカタログではSFCのオールSUS仕様や位置検出に対応したスリット板付きなどカスタマイズ例も紹介されているため、セミオーダーでの対応も期待できます。
ディスクカップリングの価格相場
ディスクカップリングの価格相場は、加工なしの参考価格になりますがスタンダードタイプ・許容トルク(20N・m)で約2万円〜許容トルク(1000・m)で約5万円程度です。
スペーサが加わると約1.5〜2倍の金額となります。オプションで穴の仕様や素材などを変更すると価格はさらに上がります。
ディスクカップリングの選び方
小型ディスクカップリングであれば鍋屋バイテック。大型ディスクカップリングであれば椿本チエイン。中型であれば三木プーリか椿本チエインの製品がおすすめです。またNBKのXGHWシリーズや椿本チエインのNERシリーズなど独自技術を使った製品もいくつかあります。価格は通常品より高くなりますが耐久性や効率の点から長期的に見ると費用が抑えられる場合もありますので、特殊製品も見積もりしてみてはいかがでしょうか。
ディスクカップリングのまとめ
今回の記事ではディスクカップリングについて解説しました。
- ディスクカップリングとはモーターと従動軸をつなぐ際に使用される産業用部品
- 鍋屋バイテック会社をはじめとした20社程度が主要メーカー
- 価格相場は数万円程度