今回の記事では「電解研磨機(電解研磨装置)」の、おすすめメーカーと価格相場について紹介します。
目次
電解研磨機(電解研磨装置)の種類
電解研磨機(電解研磨装置)とは、金属の表面処理工程で使用する産業用の機械です。
電解研磨機自体は大きく2つに分けられ、以下のような違いがあります。
①電解研磨機(ステンレス鋼表面処理):
ステンレス鋼は、大気中の酸素と結合して表面に数ナノメートルの厚さで不動態化皮膜が形成されるため、防錆、耐食性、耐熱性を備えた金属材料です。
ただし機械加工や表面仕上げ、また輸送・保管などの場面において適切な表面状態が維持されていないと、不動態皮膜が均一に形成されず、ステンレス鋼の特性を得られません。
電解研磨を用いることでステンレス鋼の表面に付着する不純物や「粗さ」を取り除き、高特性の不動態皮膜を形成することが可能です。
ステンレス鋼電解研磨機では、ステンレス鋼をアノードとして使用して電解研磨溶液にDC電流を流すことにより、表面を電気化学的に溶解し、ミクロン単位で洗浄できます。また粗面の凸部が優先的に溶解するため、表面の粗さが小さくなります。
②電解複合研磨機(電解コンポジット研磨):
電解研磨よりも滑らかな表面が必要な場合は、物理研磨と研磨剤を組み合わせた電解複合研磨(電解コンポジット研磨)が効果的です。これは、研磨対象物の表面に電解液と電流を流しながら、回転研磨ディスクを陰極として使用して研磨を移動させる方法です。
精度と耐久性が求められる半導体製造関連部品、配管、バルブ、製薬機器などに幅広く使用されています。
電解研磨機(電解研磨装置)を製造するメーカー
電解研磨機(電解研磨装置)を扱う主要メーカーは、約10社あります。今回はおすすめメーカーとして2社ピックアップ。簡単にご紹介します。
株式会社中央製作所
出典:中央製作所
中央製作所の創業は1936年で、各種電源設備、表面処理設備、電気抵抗溶接機、電解加工機、環境設備などを製造販売しています。
同社の製造する機器や設備は、汎用品が中心ですが、顧客ニーズに合わせて製品作りをしているため、導入時の最適配置が可能です。
マイト工業株式会社
出典:might
マイト工業は、1982年創業の溶接機器専門メーカーです。創業時のメイン事業である溶接機をはじめ、現在は切断機、や投光機など産業分野向けの機器を多く扱っています。
電解研磨機(電解研磨装置)の価格相場
電解研磨機(電解研磨装置)の価格相場は250万円~1500万円程度です。
一般的にはラボや研磨対象物が小型の場合は250~500万円が価格相場です。
研磨自動化やレンジシステム化、大型化、段取り時間、切り替え時間短縮、物理研磨とのコンビネーションなどの要素が絡むと、価格は1,000万円~1500万円になります。
電解研磨機(電解研磨装置)の選び方
電解研磨は金属表面を清浄化するための機器です。まずは「何を研磨するのか?」「対象物の形状に研磨機が対応可能か?」などを検討しましょう。
実サンプルなどを用いながら、電解研磨の実機で予め確認されることをおすすめします。またその際には、洗浄方法の適切性と研磨面の清浄レベルの判定も行いましょう。
電解研磨機(電解研磨装置)のまとめ
今回の記事では電解研磨機(電解研磨装置)について解説しました。今回の記事内容を簡単にまとめます。
- 電解研磨機(電解研磨装置)とは金属の表面処理工程で使用する産業用の機器
- 主要メーカーは「中央製作所」や「マイト工業」などを筆頭に10社ほど
- 電解研磨機(電解研磨装置)の価格相場は、250万円~1500万円程度