今回の記事では「ロータリーアクチュエータ」の、おすすめメーカーと価格相場について紹介します。
目次
ロータリーアクチュエータの種類
ロータリーアクチュエータとは、圧縮空気を運動エネルギーに変換し、機器を駆動するために使われる精密部品です。
現在広く使われているロータリーアクチュエータは以下の2タイプとなります。
①ベーン型ロータリーアクチュエータ:
空気圧で直接、回転往復運動を行う構造です。シングルベーンとダブルベーンがあり、ダブルはシングルと比べ2倍の回転トルクが得られます。(揺動角度はシングルベーンの方が大きくなります。)
②ラックピニオン型ロータリーアクチュエータ:
シリンダのピストンが内蔵され、ラックピニオンの機構を利用して回転運動に変換する構造です。
ベーン型の方が構造が単純でコンパクトかつ安価ですが、ラックピニオン型はエア漏れが少ないという利点があります。
ロータリーアクチュエータを製造するメーカー
ロータリーアクチュエータを扱う主要メーカーは、約15社あります。その中でも国内外で高いシェア率を持っている3社を機械の特徴やメリット・デメリットとともにご紹介します。
SMC株式会社(SMC)
出典:SMC
SMC株式会社は、1959年に創業した自動制御機器製品を製造・販売する国内上場メーカーです。空気圧機器の国内シェアが65%、世界シェアも37%でトップシェアを誇っています。
製品は電磁弁付きや角度調整付きなどペーンタイプが5種類、ラックピニオンタイプが8種類と分かれており、世界でもトップクラスのラインナップが魅力の一つです。
懸念点は2022年現在、産業用部品のECサイト大手ミスミで納期が30日の製品が多い点。急を要する場合は他社相当品も考慮に入れる必要があるかもしれません。
株式会社オリエンタルモーター
オリエンタルモーター株式会社は、1885年に日本橋で創業した精密小型モーターを主軸とした国内メーカーです。売り上げの海外比率が50%近くあり、海外で評価の高いメーカーでもあります。
5相ステッピングモーターに中空フランジを採用した高精度な中空ロータリーアクチュエーターのDHシリーズを製造・販売しています。
オリエンタルモーターのECサイトが充実している点も魅力の一つです。
納期が即座に調べられ、周辺部品も商品ページに記載してあるため選定が楽に行えます。ただし中空ロータリーアクチュエーター以外は製造していないのでご注意ください。
株式会社コガネイ
出典:KOGANEI
株式会社コガネイは1934年創業の工作機器・制御機器を販売するメーカーです。ドイツ工作機械の代理店として創業し、1940年代にメーカーとして産業機器の製作を開始しました。
ラックタイプでは、ダブルラック方式を採用したRAPシリーズ(クリーンタイプ)も製造しています。
ダブルラック方式によってノーバックラッシュ、ノンリーク構造を実現した製品です。
製品ラインナップではSMCより若干少ないですが、ベーンタイプでは揺動角度275°や軸径12mmなど細かい製品仕様ではコガネイのみの場合もあります。
ロータリーアクチュエータの価格相場
ロータリーアクチュエータの価格相場は1万円~7万円程度です。
- ベーン型は約1万円〜4万円
- ラックピニオン型は約3万〜7万ほど
サイズのほか、スイッチの種類や個数、キー溝加工などのオプションにより価格に差が出てきます。
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ロータリーアクチュエータの選び方
SMCが一番バリエーションが豊富です。用途にあった製品を選びやすいので、初めに参考で見てみると良いでしょう。
中空タイプが必要であれば、その分野に強いオリエンタルモーターがおすすめです。
SMCの納期が長すぎる場合はコガネイが価格でもバリエーションでもSMCに一番近い印象でした。
ロータリーアクチュエータのまとめ
今回の記事ではロータリーアクチュエータについて解説しました。今回の記事内容を簡単にまとめます。
- ロータリーアクチュエータとは圧縮空気を運動エネルギーに変換し、機器を駆動させる精密部品
- 「ベーン型」「ラックピニオン型」の2種類がある
- 主要メーカーは「SMC」を筆頭に3社ほど
- ロータリーアクチュエータの価格相場は、1~7万円程度
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