滑り軸受ユニット(すべり軸受)のおすすめメーカーと価格相場

滑り軸受ユニット(すべり軸受)のおすすめメーカーと価格相場

2022年11月16日

今回の記事では「滑り軸受」の、おすすめメーカーと価格相場について紹介します。

 


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滑り軸受の種類

滑り軸受とは、自動車用部品から産業用機械まであらゆる回転が必要とされる箇所、または直動運動を必要とする箇所で使われています。

玉軸受(ボールベアリング)と比べてメンテナンスが容易・耐久性がある・静音性能が高いなどがメリットです。

一方で、玉軸受と比べて通常の滑り軸受は、摩擦が大きい点や高温/低温での使用は不利、規格化されていないため互換性のない場合があるなどデメリットもあります。購入する際は使用環境を考慮して玉軸受か滑り軸受か慎重にご判断ください。

滑り軸受は分類としては大きく4つに分けられ、以下のような違いがあります。

①オイルレスベアリング

少量の油で潤滑できるような材料で出来ており、給油量を少なく、もしくは無給油での運用が可能な滑り軸受。「環境負荷低減」という点でSDGsにも配慮した製品と言えます。高温に強い点も魅力です。

②樹脂軸受

名前の通り金属の代わりに樹脂を使用した軸受です。軽量で静音性が高く、摩擦係数が低い点や錆びにくい点などが魅力。金属製のグリースが使えない環境でも使用可能です。

③球面滑り軸受

外輪と内輪が球面接触をする自動調心形の滑り軸受。ラジアル荷重とアキシアル荷重の両方からの負荷に強い製品です。球面滑り軸受は、さらに通常型・ロッドエンド型・ボールスタッド付きなどに分類されます。

④焼結含油軸受

グラファイトなどの金属粉を押し固めて製造される軸受。無数の穴(多孔質)が空いた金属に潤滑油を含ませて、潤滑の役目を果たす仕組みになっています。

滑り軸受を製造するおすすめメーカー

滑り軸受を扱う主要メーカーは、約30社あります。その中でも上記で紹介した各分類に強いメーカーを3社ご紹介します。

オイレス工業株式会社(OILES)

OILES

出典:OILES

オイレス工業株式会社は、1939年に創業したオイルレスベアリングを主力製品として製造販売する部品メーカーです。創業当初からオイルレスベアリングを製造しており、現在では国内シェアトップを誇ります。

2021年には新たに施行された「食品衛生法 ポジティブリスト制度」に適合した新製品グライトロンSFを発売。食品機械の消毒(次亜塩素酸ナトリウム)に耐性があります。

懸念点は価格の面で、例えば無給油ブッシュ(滑り軸受)の場合1個からの注文はミスミ製の方が安くなる傾向にあります。(大量発注・得意先経由ではなくECサイトでの比較です。)

鹿島化学金属株式会社

kashima

出典:鹿島科学金属

鹿島化学金属株式会社は、1953年創業の樹脂軸受(樹脂滑り軸受)などプラスチック製品の製造・加工に強いメーカーです。旭化成やソニーなど有名企業への製品導入実績があります。

プラスチックの専門家だけあり、豊富なラインナップから材質を選べる点が魅力の一つです。切削にて製作しているため、寸法や形状は用途に合わせてオーダーで製作してもらえます。また設計に必要な数値も見積もり時に合わせて計算してもらえる点も嬉しいポイントです。

懸念点は、オーダー品のため基本納期は約3週間と少し長い点が挙げられます。(大量の場合は別途お見積が必要です。)

日本エスケイエフ株式会社(SKF)

SFK

出典:日本SFK

1907年に創業したスウェーデンにあるSKFの日本法人として1932年に誕生しました。創業当初に自己整合型ボールベアリングの特許を取得しており、2022年現在世界のベアリングシェアトップメーカーの一つです。

通常タイプの球面滑り軸受では、内径4mmから内径1000mmまでの型式があり、幅広いサイズが用意されています。特にサイズが大きい製品は国内メーカーでも生産していない場合があるため貴重です。(ただし受注生産のため納期は年単位になる場合あり)

代理店はHP記載で全国11ヶ所と競合となるTHKなどと比べると少ない点はアフターフォローやメンテンナンスという点で考慮する必要があるかもしれません。

滑り軸受の価格相場

滑り軸受の価格相場は分類・材質・給油もしくは無給油などによって様々

ざっくりとした参考価格になりますが、青銅系無給油タイプのオイルレスベアリングは内径6φで1000円前後〜。

小型も多数販売されている樹脂軸受は材質によって様々ですが、ポリアセタールを使用した軸受で内径2φで約30円〜販売されています。

球面滑り軸受は給油型内径10φで1500円〜となります。

 


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滑り軸受の選び方

滑り軸受は分類タイプによってある程度メーカーが分かれています。

滑り軸受のデメリットとして紹介したとおり玉軸受のように規格が定まっていないため、互換性のない場合がある点を考慮して継続的に発注することを前提に慎重に選ぶ必要があります。

今回ご紹介した3社はオイルレスベアリングに強いオイレス工業、樹脂軸受に強い鹿島化学金属、球面軸受でサイズ展開が多いSKFという分け方で覚えておくと良いでしょう。

滑り軸受のまとめ

今回の記事では滑り軸受について解説しました。今回の記事内容を簡単にまとめます。

  • 滑り軸受とは、あらゆる回転が必要とされる箇所、または直動運動を必要とする箇所で使用される精密部品
  • 「オイルレス」や「樹脂」「球面滑り軸受」など、様々な種類がある
  • 主要メーカーは「オイレス工業(OIKES)」を筆頭とし、全国に約30社ほど
  • 滑り軸受の価格相場は、種類・大きさなどで変わる

 


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■ 執筆担当者:matogawa
お酒と映画が好きなアラサー。産業部品の商社で物流・営業として真面目に働いたもののメーカーとお客さんの間に挟まれすぎて精神的にダウン。
軸受のようにどこでも必要とされるライターを目指して奮闘中です。