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人工筋肉(ソフトアクチュエータ)の価格相場
人工筋肉(ソフトアクチュエータ)の価格相場は素材と長さなどで異なりますが約2万円程度から購入可能です。(ただし制御装置は別)
空気圧人工筋肉は安価な素材のため、ローエンドモデルとして2万円〜3万円で製品化され販売されています。
高分子アクチュエータも材料コストは高価ではなく同価格帯で入手は可能です。
制御機器が異なるため総合的に価格の違いがあります。
反対にカーボンナノチューブアクチュエータについては素材が高価であり、仕様にもよりますが倍以上の5万円〜となります。
人工筋肉(ソフトアクチュエータ)の種類
人工筋肉(ソフトアクチュエータ)とは、筋肉組織を模倣した動力源(アクチュエーター)の一種。伸縮・変形する素材を用いられていることから、ソフトアクチュエーターとも呼ばれています。
分類としては大きく3つに分けられ、以下のような違いがあります。
①空気圧人工筋肉
空気圧人工筋肉とはゴムなどの伸縮する材料に空気を印加することによって動力を得ることができるソフトアクチュエータの一種です。
1961年に代表例であるMcKibben(マッキンベン)型人工筋肉として開発され、人工筋肉のルーツとも言えます。
軽量かつ柔軟性に優れ、水中でも使用できるなど耐環境性も持ち合わせています。素材は安価ですが、消耗品であるため定期的に交換する必要があります。
②高分子アクチュエータ
高分子アクチュエータとは高分子材料を使用して製作された人工筋肉を指します。柔軟な素材であり電圧を印加することにより伸縮をおこないます。
種類として高分子ゲルアクチュエータや導電性高分子アクチュエータが存在します。
それぞれ素材によって異なる部分はありますが、軽量性や応答性、静音性などに優れています。
③カーボンナノチューブアクチュエータ
カーボンナノチューブアクチュエータとは素材にカーボンナノチューブが使用された人工筋肉を指します。
軽量性や柔軟性はもちろんのこと、空気圧人工筋肉や高分子アクチュエータと比較して耐久性に優れています。
介護用アシストスーツや医療の現場で活用されていますが、素材のコストが高価であることがデメリットとして挙げられます。
人工筋肉(ソフトアクチュエータ)を製造するおすすめメーカー
人工筋肉(ソフトアクチュエータ)を扱う主要メーカーは、5社ほどあります。今回の記事ではおすすめの3社をご紹介します。
株式会社コガネイ MIRAI事業部
出典:KOGANEI
株式会社コガネイは1934年創業の電動機器や空圧機器を中心に販売やレンタルをおこなうメーカーです。
社内展開されているMIRAI事業部はソフトアクチュエータの一種である空気圧人工筋肉を取り扱う部門として、新技術の開発からさまざまな場面での活用を目指しています。
空気圧人工筋肉ブランド「Pneumuscle(ニューマッスル)」として商品化し販売されています。
イーメックス株式会社
出典:イーメックス
株式会社イーメックスは2001年に設立された高分子アクチュエータの設計および開発をおこなう研究開発型のメーカーです。
中でもイオン伝導アクチュエータおよび導電高分子アクチュエータの素材技術で高い評価を得ています。
日本ゼオン株式会社(ZEON)
出典:ZEON
日本ゼオンは1950年に設立されたあらゆる素材の開発をおこなう総合化学メーカーです。
合成ゴムや合成ラテックスなど多数の製品で世界的にシェアを獲得しています。
近年注目されている素材であるカーボンナノチューブの開発および製造を手掛けています。
人工筋肉(ソフトアクチュエータ)の選び方
人工筋肉は産業ロボットや介護用のアシストスーツなどさまざまな用途で活用されています。
ローエンドモデルとしている空気圧人工筋肉は耐久性が心配されていましたが、年々改良が進み使用寿命も伸びています。
カーボンナノチューブアクチュエータは実用化が進んでいるものの、未だ開発要素が強くハイコストは避けられません。
今後の市場規模が伸びてこればより安価に入手することが可能となる見込みです。
人工筋肉(ソフトアクチュエータ)のまとめ
今回の記事では人工筋肉(ソフトアクチュエータ)について解説しました。今回の記事内容を簡単にまとめます。
- 人工筋肉(ソフトアクチュエータ)とは生体である筋肉を模倣した素材・アクチュエーターの一種
- 介護ロボットなど様々な分野での使用が期待されているが、実用化に至っている製品は少ないのが現状
- 種類としては「空気圧式」や「高分子素材式」「カーボンナノチューブ式」などの種類がある
- 主要メーカーは「コガネイ(MIRAI事業部)」「イーメックス」「ゼオン」など
- 人工筋肉(ソフトアクチュエータ)の価格相場は、2万円程度~(制御装置は別途必要)
■執筆担当者:しょうへい 機械加工品・製缶品のバイヤーをこなし、産業機械の記事を執筆する副業ライター。 記事で日本のものづくりを元気にするお手伝いがしたい。 |