今回の記事では「ボールねじ」の、おすすめメーカーと価格相場について紹介します。
目次
ボールねじの種類
ボールねじとは、モーターなどの回転運動を直線運動に変換し、主に位置決め贈り要素として使用される精密部品です。すべりねじよりも価格が高くなりますが、高い位置決め精度からロボットやFA機器、半導体機器など幅広い分野で使用されています。。分類としては、必要な精度によって大きく2つに分けられます。
①:精密ボールねじ
熱処理後の工程で正確な精度出しができるため、主に高精度な位置決めが必要な場面で使用されるボールねじです。多くのメーカーで、C0級〜C5級までの精度等級から選べる仕様になっています。加工技術が必要な分、転造ボールねじよりも高価です。
②:転造ボールねじ
搬送用ボールねじとも呼ばれ、位置決めよりも大体の精度でワーク(搬送物)を運ぶ際などに使用されます。価格面でのメリットの他に、精密ボールねじより短納期である点もポイントです。精度等級は一般的にC7〜C10の間で製造されます。
ボールねじメーカー各社のメリット・デメリット
ボールねじを扱う国内でも一定のシェアを持つメーカーは、約15社程あります。その中からシェアの高い3社を機械の特徴やメリット・デメリットと合わせてご紹介します。
THK株式会社
出典:THK
THKは、1971年創業「直線運動の転がり化」を世界で初めて実現したパイオニアで、LMガイドとともにボールねじの世界でもトップクラスのシェア率を誇ります。
LMガイドで採用していた後付センサによるメンテナンスや交換品発注のDX化「OMNIedge」ですが、2021年11月よりボールねじもラインナップに加わり、THK製ボールねじを選ぶメリットが増しました。
価格が少々高いという懸念点もありますが、精度が求められる環境下で使用する場合は、やはり高い品質管理を誇るTHKがおすすめです。
日本精工株式会社(NSK)
出典:NSK
NSKは、1916年創業の自動車用部品と産業用部品を製造する老舗伝導機器メーカーです。
THKと並び、日本が誇るボールねじのメーカーとしても有名で、トップクラスの世界シェアを獲得しています。
2022年には、油圧式から電動式へ移行し始めた射出成形機向けに、独自の解析技術から長寿命化した新たなボールねじを開発しました。
ボールねじに関しては、THKのラインナップにはない製品であればNSK一択ですが、両者に在庫がある場合、NSKを選ぶメリットがやや薄い印象です。
ハイウィン株式会社株式会社(HIWIN)
出典:HIWIN
ハイウィンは、1989年創業の台湾に本社を置く伝導機器メーカー。ボールねじ以外にもリニアガイドやモーターなどを製造しており、競合他社に比べて安価な点、比較的短納期である点も魅力です。精密ボールねじも製造していますが、精度等級はC5のみなので、それ以下の高精度なボールねじが必要な場合は、他社から選ぶ必要があります。
ボールねじの価格相場
ボールねじの価格相場は、転造ボールねじ(無与圧)、軸径φ10で1万円~φ50で6万円程度、精密ボールねじの場合はC5等級、φ10で4万円〜φ50で30万円程です。
精度等級以外にも、リードの長さや軸端加工、フランジ形状などによって価格は上がってきますので、上記価格相場はあくまで参考価格です。
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ボールねじの選び方
精密ボールねじはわずかな製造ミスも許されないため、実績のあるTHKやNSKを選ぶ方が良いでしょう。
精度にこだわらない搬送用であれば、納期や単価を比べて、中国製や台湾製も視野に入れても良いかもしれません。
ただしメンテナンスサポートや製品不備に対するサポートなどトータルコストを考えると日本のメーカーの方が安かったとなる場合もあるので、慎重にメーカーを決めましょう。
ボールねじのまとめ
今回の記事ではボールねじについて解説しました。今回の記事内容を簡単にまとめます。
- ボールねじとは ロボットやFA機器、半導体機器など幅広い分野で使用されている。
- 精密ボールねじや転造ボールねじなどの種類がある
- 主要メーカーは、THK、NSKなど
- ボールねじの価格相場は精度等級やリード長さ、フランジ形状によって価格帯が異なる
- 選び方は、実績のあるTHKやNSKから選定するのが良い
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