今回の記事では「ドライ真空ポンプ」の、おすすめメーカーと価格相場について紹介します。
お問い合わせやお見積りのご相談は「お問い合わせフォーム」よりお願いいたします。
目次
ドライ真空ポンプの種類
ドライ真空ポンプとは、クリーンな真空を得るために使用する産業用の機械です。
シール(封止)に油などを利用する真空ポンプを「ウェットポンプ」と呼ぶことに対して、油などを利用しないポンプを「ドライ真空ポンプ」または「ドライポンプ」と呼びます。
油などの逆流や拡散がないことから、クリーンな環境で必要とされるポンプです。半導体や液晶、食品、医薬品、分析装置などの分野で使われています。
分類としては大きく6つに分けられ、以下のような違いがあります。
①多段ルーツ型ドライポンプ
一対のまゆ型ロータを互いに逆回転させて、気体を圧縮し排出します。多段構成のため小型化しにくいですが、高い真空度が得られ、排気速度も速いです。
②スクリュー型ドライポンプ
一対のスクリューロータを互いに逆回転させて、気体を圧縮し排出します。低速運転でも高い真空度が得られ、低騒音・低振動を実現できます。単段のシンプルな構造でメンテナンス性も高いです。
③スクロール型ドライポンプ
渦巻き型の固定スクロールと旋回スクロールを組み合わせて、気体を圧縮し排出します。スクロールのシールが摩耗するので定期メンテナンスが必要ですが、小型で低騒音・低振動です。高い真空度も得られます。
④ダイアフラム型ドライポンプ
ダイアフラム(隔膜)を往復運動させることで、気体を排出します。吸入口と排出口にそれぞれ逆止弁がついており、気体が一方向に流れる仕組みです。ダイヤフラムの移動量に限界があるので高い真空度は得られませんが、小型で静音性に優れています。
➄揺動ピストン型ドライポンプ
ピストンを往復運動させることで、シリンダー内の気体を排出します。吸入口と排出口にそれぞれ逆止弁がついており、気体が一方向に流れる仕組みです。高い真空度は得られませんが、安定した圧力が得られます。同じ排気量ならダイヤフラム型より小型になります。
⑥ベーン型(回転翼型)ドライポンプ
ベーン(Vane)は羽根車の羽根のことです。ロータからベーンが遠心力で飛び出して、気体を掻き出すように排出します。高真空は得られませんが排気速度が速いため、吸着搬送でよく使われます。
お問い合わせやお見積りのご相談は「お問い合わせフォーム」よりお願いいたします。
ドライ真空ポンプを製造するおすすめメーカー
ドライ真空ポンプを扱う主要メーカーは、15社あります。各社ともに機械の特徴やメリット・デメリットがあります。
エドワーズ株式会社
1971年設立。1919年創業の英国エドワーズ社の日本法人です。ドライ真空ポンプは、英国本社が世界で最初に生産をはじめました。世界トップシェアを誇り、グローバルリーダーとして有名です。
樫山工業株式会社
1951年設立。1986年に日本ではじめてドライ真空ポンプを開発した真空機器メーカーです。2018年にはドライ真空ポンプの累計生産台数が20万台を超えました。国内トップシェアを誇り、世界No.1を目指しています。
株式会社 荏原製作所
1912年創業。ポンプメーカーとして100年以上の歴史があります。ドライ真空ポンプは、2020年9月時点の出荷実績が20万台以上です。世界シェア2位でグローバルに活躍しており、サービス拠点は世界50カ所以上にのぼります。
お問い合わせやお見積りのご相談は「お問い合わせフォーム」よりお願いいたします。
ドライ真空ポンプの価格相場
ドライ真空ポンプの価格相場は数十万円〜数百万円程度です。
小型のものから大型のものまで、到達圧力と排気速度によって価格差があります。
お問い合わせやお見積りのご相談は「お問い合わせフォーム」よりお願いいたします。
ドライ真空ポンプの選び方
使用目的や環境によって異なりますが、高い真空度が要求される場合は「多段ルーツ型」「スクリュー型」「スクロール型」を選ぶ必要があります。
そのなかで排気速度を重視するなら「多段ルーツ型」、メンテナンス性なら「スクリュー型」、小型なら「スクロール型」です。
高い真空度が不要ならば、静音性の「ダイアフラム型」、小型の「揺動ピストン型」、排気速度の「ベーン型(回転翼型)」になります。
お問い合わせやお見積りのご相談は「お問い合わせフォーム」よりお願いいたします。
ドライ真空ポンプのまとめ
今回の記事ではドライ真空ポンプについて解説しました。今回の記事内容を簡単にまとめます。
- ドライ真空ポンプとはクリーンな真空を得るために使用する産業用の機械
- 「多段ルーツ型」や「スクリュー型」など、様々な種類がある
- 主要メーカーは「エドワーズ」を筆頭に15社ほど
- ドライ真空ポンプの価格相場は、数百万円程度
お問い合わせやお見積りのご相談は「お問い合わせフォーム」よりお願いいたします。