タッピングボール盤のおすすめメーカーと価格相場

タッピングボール盤のおすすめメーカーと価格相場

2022年11月16日

今回の記事では「タッピングボール盤」の、おすすめメーカーと価格相場について紹介します。

 


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タッピングボール盤の種類

タッピングボール盤とは、主に金属の穴開け、タッピング(ネジ山を立てる、切る)工程で使用する産業用の機械です。

分類としては大きく4つに分けられ、以下のような違いがあります。

①兼用タッピングボール盤

穴あけを行うボール盤とタッピングを行うタッピングボール盤の2つの機能を兼ね備えた機械です。

その違いとしてはボール盤は単方向のみの回転しか出来ませんが兼用タッピングボール盤になると正回転と逆回転の両方が可能になっています。

タッピングボール盤の中では一番数が多く、主流といえるタッピングボール盤です。しかしボール盤をただ単に逆回転出来るように改良されただけのものから、タッピングに特化した機能を持つものまで機能の差、値段の差も大きいです。

下記で説明するタッピングボール盤もボール盤との兼用として使えるものも多いです。

②自動タッピングボール盤

ネジ山を切る深さ(ストローク量)や回転速度、回転トルクなどの一部または全てを数値化し自動で行ってくれるタッピングボール盤です。
ヘッド移動型というドリル部分が移動し対象物を移動させることなく、ネジ山を切る部分を変更出来るものもあります。またヘッドの移動も数値化されているため手動で測ることなく正確な位置にネジ山を切ることができるなどの利点もあります。
NC工作機械の1つであり、上位機器としては自動で工具交換機能を持ったマシニングセンタなどがあります。
手動のものと比べると価格は高くなる傾向はありますが、精密で正確な加工が可能になります。

③横型タッピングボール盤

一般的なボール盤は基本的にドリルの刃は上下方向(縦向き)に動くものが多いですが横型タッピングボール盤はドリルの刃が横向きに移動します。
縦向きのタッピングボール盤に乗せることが難しいような大型な対象物や長い対象物で使用されることが多いです。
しかし、そのような特徴から比較的大きな製品が多いため設置に関しても広い範囲が必要になることが多いという特徴もあります。
完全に手動のものから自動のものまでの製品があります。

④多軸タッピングボール盤

主軸が多数存在し、複数の箇所に同時にタッピング加工が出来る機械です。
比較的大きなものが多く、汎用的に使用されることは少なく、大量生産される加工物のために生産ラインに組み込まれて使用されることが多く、オーダーメイド、半オーダーメイドのような製品が多いです。

タッピングボール盤を製造するおすすめメーカー

タッピングボール盤を扱う主要メーカーは、3社あります。各社ともに機械の特徴やメリット・デメリットがあります。

株式会社キラ・コーポレーション(KIRA)

KIRA

出典:KIRA

1944年創業の切削加工機、ボール盤、タッピングボール盤などの製造、販売をする歴史あるメーカーです。
1945年には卓上のボール盤、タッピングボール盤の販売を開始しておりタッピングボール盤に関する製造の歴史も非常に長く信頼性の高いメーカーになっています。

国内外に多くの拠点、導入実績を持ち世界的評価も高いメーカーです。

タッピングボール盤としては手動の縦型の数機種のみのラインナップですが自動化の製品に力を入れており、マシニングセンタなどは多くの製品ラインナップになっています。

遠州工業株式会社

enshu

出典:遠州工業

2007年設立の工作機器、金型部品の製造、販売を行うメーカーです。

設立からは歴史が浅いメーカーと思うかもしれませんが、1943年には元となる会社が設立されており、1958年にはボール盤の製造を開始している歴史あるメーカーです。

商品ラインナップは多くはありませんが、もともとは加工メーカーであることからその知識、技術を生かして使う側の立場で使い勝手の良さ、安全性を突き詰めた製品作りをしているメーカーです。

テスト加工や専用の治具の作成も行っておりサービスに関する部分の評価も高いメーカーです。

東洋精機工業株式会社(TOYOSK)

toyosk

出典:TOYOSK

1956年創業の工作機器、半導体製造装置、自動車関連部品の製造、販売を行う老舗メーカーです。

多軸タッピングボール盤を日本で初めて開発したメーカーであり、商品ラインナップも多軸タッピングボール盤を数多く取り揃えています。

単純な機能のタッピングボール盤は取り扱っていませんが、マシニングセンタなど精密な装置を数多く取り揃えています。

多くの有名企業に納入実績がある技術力、信頼性の高いメーカーです。

タッピングボール盤の価格相場

タッピングボール盤の価格相場は数十万円〜数千万円程度です

タッピングボール盤は、単純なつくりの手動のものであっても数十万程度はします。

自動装置などの電気的要素が加わったり、多軸のものなどつくりが複雑になるほど価格は上がっていきます。

高い製品やオーダーメイド設計のようなものは価格が明示はされていないものの数百万から数千万程度になることが予想されます。

 


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タッピングボール盤の選び方

タッピングボール盤の選び方としてはどのようなものの加工をしたいかを明確にすることによって製品が絞られてくるはずです。

穴が大きいものやネジ山が細かいものなどは専用のタッピングボール盤でしか対応できない場合がありますし、高い精密さが求められる加工の場合は自動装置などが付いているものが必要になってくるはずです。
大量生産される加工物である場合も自動装置や多軸のタッピングボール盤が製造ラインに必要になってくるでしょう。

汎用的な使用をする可能性などもあるのかもしっかりと考え、用途に合った製品を選ぶことが大切になるでしょう。

もちろん多機能、大型になれば価格もそれに伴い高額になっていくため、オーバースペックの製品を選んでいないのかもしっかりと考えてみましょう。

タッピングボール盤のまとめ

今回の記事ではタッピングボール盤について解説しました。今回の記事内容を簡単にまとめます。

  • タッピングボール盤とは金属への穴あけやねじ切りを作成するための産業用の機器
  • 「多軸型」や「自動型」など、様々な種類がある
  • 主要メーカーは「KIRA」を筆頭に3社ほど
  • タッピングボール盤の価格相場は、数十万円~数千万円程度

 


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■執筆担当者:KenOs
昼は自動車整備士、夜は覆面の執筆者、趣味はバイクという、ライター界きっての機械マニア。
そんな機械に囲まれた最高の生活を送っているが、そろそろお金と美女にも囲まれたい、バイクには乗れるが時代の波にももっと上手く乗りたい……といった悩みも。