今回の記事では「圧入機(あつにゅうき)」の、おすすめメーカーと価格相場について紹介します。
目次
圧入機 の種類
圧入機とは、圧力をかけて部品を押し入れる産業用の機械です。
例えば、母材となるフレームに、小部品であるブッシュを圧入する機械になります。
圧入する小部品により、ブッシュ圧入機、カラー圧入機、ベアリング圧入機などと呼ばれます。
圧入機は、その動力源により大きく4つにわけられ、以下のような特徴があります。
エアー式
エアシリンダを使って圧入します。小さい力で圧入できるものに適しています。
- 他と比べ、シリンダが安価
- エア源があれば良い(大抵の設備は、ワークのクランプにエアを使用。圧入のための動力源を他に用意しなくて済む)
- 油圧に比べ、力が弱い(シリンダが大型化する傾向にある。例:φ100シリンダを使用。また工場元圧ではエア圧が不足する場合は、増圧弁+エアタンクで圧力を上げる必要がある。)
油圧式
油圧シリンダを使って圧入します。圧入機では最もポピュラーな動力源です。
▼油圧式の特徴
- シリンダ径が小さくても、大きな力を出せる
- 動作が安定している
- 油圧ユニットが必要
- エアと比べ、動きが遅い
ロボシリンダ式
ロボシリンダを使って圧入します。
▼ロボシリンダの特徴
- 圧入深さを任意で決められる
- 押しつけ力を設定できる
- 圧入動作一連の、速度や位置制御が容易(※)
- エアシリンダからの置き換えに良い
※通常、エアや油圧の場合は小部品をセットした位置から、圧入位置までは高速、圧入は低速で行い、高速・低速の切り替えはバルブで行います。切り替え位置はオートスイッチなどで設定。それに対し、ロボシリンダはサーボモータを使用しているため、速度を任意で変更可能。また可変させる位置制御も容易です。
ロボット式
ロボットを使って圧入します。
▼ロボット式の特徴
- 小部品のパレット供給など、自動化が可能(小部品の作業者セットを不要にできます)
- 小部品を掴むためのマテハンが必要
- 圧入位置や向きの制限がほぼない(原則、ロボットの可動範囲内であれば可能です。例:作業者側からの圧入)
- ロボットを用いるので、高額、大型化する
圧入機メーカー各社のメリット・デメリット
客先の要望(要求仕様)に合わせて製作するため、主要メーカーはありません。
強いて挙げるとするならば、圧入機を多く手掛けているメーカーが主要メーカーと呼べるでしょう。以下は一例です。
MACHINPRO株式会社
出典:MACHINPRO
MACHINPROは、2002年創業の比較的若い機械メーカーです。
ほぼ全てを受注生産(特注品)としており環境に合致した仕様ベースの製品づくりを得意としています。
株式会社MYTECH
出典:MYTECH
こちらのMYTECHも2002年創業の生産設備メーカーです。
創業から比較的若い企業ですが、機械設備に精通したベテラン社員を配置することでノウハウや技術力は50年超の老舗メーカーに匹敵するほど。
前後工程や品質などにこだわりを持った企業です。
圧入機の価格相場
圧入機の価格相場は数百万円~です。
まず、圧入に用いる動力源により、装置の金額が変わります。エアよりも油圧の方が高額になります。ロボシリンダと油圧は、ワークにより異なります。油圧の方が、製作部品などのメカ的な金額は高くなりますが、ロボシリンダは購入品費と電気的な金額が高くなります。一般的に、ロボットを用いる装置が最も高額になります。
次に、圧入するワークの種類(形状)と数量により、金額が変化します。
例えば、ワークの保持機構が、Oリングやプランジャだけで良いのか、それとも専用のチャック機構が必要なのかによって、設計費、市販品購入費、部品加工費、組立調整費と、それぞれの金額に影響します。
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圧入機の選び方
まずは、圧入にどれだけの力が必要なのかにより、動力源が変わってきます。
例えば300Nで圧入できるのであれば、エアやロボシリンダが候補としてあげられますが、10KN必要となれば、油圧でなければ、成り立たなくなってきます。
また、基本的にワークの小部品セットは作業者が行いますが、パレットなどから自動で取り出して圧入させたいのであれば、ローダーの組み合わせより、ロボットによる圧入の方が、コストもスペースも節約できる可能性があります。
もし圧入深さの制御が必要であれば、エアや油圧よりもロボシリンダを第一候補にした方が良いでしょう。
圧入機のまとめ
今回の記事では圧入機について解説しました。今回の記事内容を簡単にまとめます。
- 圧入機とは 圧力で部品を押し入れる産業用の機械
- 動力源によって「エア式」「油圧式」「ロボシリンダ式」「ロボット式」など、大きく4つに分けられます
- 主要メーカーは、MACHINPROやMYTECHなど
- 圧入機の価格相場は数百万円~。動力源やワーク対象によって異なる。
- 圧入にどれくらいの力が必要なのか?など、動力源の選定が重要。またワークのセットを手動とするか児童とするかなども重要となる。
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