半導体ワイヤボンディング装置のおすすめメーカーと価格相場

半導体ワイヤボンディング装置のおすすめメーカーと価格相場

2022年6月22日

半導体ワイヤボンディング装置の価格相場

半導体ワイヤボンディング装置の価格相場は推定価格で1,000万円~1500万円程度です

 

「分類1」は汎用の標準タイプで、配線する電極サイズとピッチが普通(0.5μm以上の製造ラインで製造されたチップの時)の場合は1,000万円程度。

一方、電極とピッチが超ファインピッチの場合は、0.2μm以下のボンディング精度を要するため1500万円程度(+各ユニットにオプション)と想定されます。

「分類2」はすべてが専用機となり、オプションを揃えると推定1200万円から1500万円程度となっています。

また他の「分類」に比べて、ボール搭載機やボールを溶かすリフローなどが必要なため、前後工程に新規の投資が必要です。「分類3」は、中空パッケージに対しては推定1,000万円程度です。

ただし電気自動用のパワー半導体など太線の場合は別途オプションが必要なため1500万円程度の価格相場と推定されます。

半導体ワイヤボンディング装置の種類

半導体の製造工程は、前工程と後工程に分かれています。まず前工程と呼ばれるシリコンウェハの上に、μmレベルの微細回路が形成されます。

次に後工程であるダイシング工程で、半導体はチップとなります。

今回紹介するのは、半導体製造工程の中でも後工程で使用される「ワイヤボンディング装置」。

ワイヤボンディングとは半導体チップが外部と接続できるよう、100μm以下と小型なチップ上のアルミ電極に金属細線を用いて、順番に外部端子に自動で泡接続するプロセスです。

超音併用熱圧着ボールボンディング

超音併用熱圧着ボールボンディングと言われ、ワイヤ先端に放電して細線を溶融してボール状に形成して、加熱、超音波、加圧。

これをICチップの電極に接続するタイプです。

 

超音波ウエッジボンディング

超音波ウエッジボンディングと言われ、アルミ線の先端に超音波と加圧して接続するタイプです。

この対応に宇宙用のセラミックパッケージで、20μmの細線を使うタイプと電気自動車の高電流のパワー半導体には、200μmΦの太線のタイプもあります。

フリップチップボンディング

フリップチップボンディングと言われ、チップの電極上に半田のボールを熱圧接して、半田ボールを各電極に形成。

このチップを反転して、プリント基板のに電極に直接、熱圧接して金属細線を用いないで、接続する方法です。

半導体ワイヤボンディング装置メーカー各社のメリット・デメリット

半導体ワイヤボンディング装置を扱うメーカーは、日本国内では約12社。内、以下の4社がこの工程でのシェアのほとんどを占めています。

株式会社新川

新川

出典:ヤマハロボティクスHD

 

70年代に世界で初めて半導体チップの自動ボンディングマシンを開発した老舗の会社です。

現在でも新川のワイヤボンディング装置のシェアは国内30%とシェア1位で世界では3位となっています。

同社の強みは熱圧着超音波ボールボンディング装置に関しては、ほとんどの国内外の製造工程に導入されており、画像認識、ボンディング精度、ボンディング速度も、他社をしのぎ、汎用性のあるので、小ピンから超多ピン(専門LSI)まで対応が可能です。

弱みはアルミワイヤの超音波方式でしょう。以前から他社にシェアは譲っています…

株式会社カイジョー

カイジョー

出典:KAIJYO

 

 

熱圧着超音波ワイヤボンディング装置は先の新川と遜色ない性能を保有してます。

しかしシェア率は新川の三分の一程度です。半導体の製造ラインは操作性が同じものを導入する傾向にあるため、新規でカイジョー製が導入されることは珍しいでしょう。

澁谷工業株式会社

澁谷

出典:Shibuya

 

フリップチップボンディング装置は、同社がCOB(Chip On Board)対応の高精度ボンダで、ほぼ占有している状況です(この工法の装置は国内ボンダ市場の15%程度)

メリットは基板上の実装密度を上げることができ、また放熱もチップの上面に冷却フィンをつけることで、ゲーム機用、自動車用など。これから増えてゆく工法です。

デメリットは汎用性がなく、専用機となることが多いことです。

超音波工業

超音波

出典:超音波工業

 

 

超音波ウエッジェボンディング装置は、同社がほぼシェアを占有。(この工法の装置はボンダ全体市場の11%程度)

常温で超音波だけで圧接する工法で、これからの電気自動車のインバーターなどに太線200μmアルミでの接続となり、メリットは電気自動車が増えることで伸びるデバイス市場で使われるので、これからのシェアは伸びていきます。

デメリットは汎用機でなく専用機となるので、コストアップとなります。

 

半導体ワイヤボンディング装置の選び方

半導体ワイヤボンディング装置は、「分類」によって装置メーカーが棲み分けされてます。

チップの個片がどのようなデバイスで使用されるのか。またパッケージや実装方法が決まれば、通常は3つの分類のいずれかにあてはまります。

また前後の装置も「分類」で異なるため前後装置も選択が変わってくる点は注意しましょう。

半導体ワイヤボンディング装置のまとめ

今回の記事では半導体ワイヤボンディング装置について解説しました。今回の記事内容を簡単にまとめます。

  • 半導体ワイヤボンディング装置とは 半導体製造工程の後工程で使用される機械
  • 大きく3つの分類に分けられる
  • 3つの分類に対して、それぞれ主要メーカーが存在しており業界内では棲み分けされている状況
  • 半導体ワイヤボンディング装置の価格相場は推定1,000万円~1500万円程度

 

 

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