今回の記事では「ソレノイドバルブ(電磁弁)」の、おすすめメーカーと価格相場について紹介します。
目次
ソレノイドバルブ(電磁弁) の種類
ソレノイドバルブ(電磁弁)とは、電磁石に電流を流して弁の開閉を行い、空気や水などの流れを止めたり、流れる方向を転換したりする機能を持つ精密部品です。
駆動ポンプなどへ圧縮エアを供給する工程で使用する産業用の機械で、接続口の数によって大きく3つに分けられ、違いは以下のとおりです。
①2ポートソレノイドバルブ:
2つの接続口だけの最もシンプルな構造を持ち、流体の流れを「止める・流す」の単純な機能のみ必要な場合に使用されます。
②3ポートソレノイドバル:
給気と出力に排気を加えたソレノイドバルブ。
一方が開けば、他方は閉じるので、流体の流れを変える機能を持ちます。
③4ポート(5ポート)ソレノイドバルブ:
4ポートソレノイドバルブは、給気と排気が1つずつ、出力は2つで構成されます。
4ポートと5ポートの基本原理は同じです。
違いは、5ポートにすると排気が2つになり、4ポートで共有していた排気が独立した構成に変わります。
ドレンをまとめて回収できるなど給気をまとめるメリットがあるのに対して、排気をまとめるメリットが少ないため、最近の主流は5ポートとなっています。
ソレノイドバルブ(電磁弁)メーカー各社のメリット・デメリット
ソレノイドバルブ(電磁弁)を扱う主要メーカーは、20社。各社ともに機械の特徴やメリット・デメリットがあります。今回の記事では、国内シェアの高いメーカーを、特徴やメリット・デメリットとともに紹介します。
SMC株式会社(SMC)
出典:SMC
1959年創業の空気圧制御部門で国内シェアトップのメーカーです。
シェア率トップに立つSMCは、やはりソレノイドバルブもバリエーションを豊富にそろえています。
複数のソレノイドバルブを、組み込む機器によってカスタマイズするマニホールドタイプは、無数のパーツから選定して発注しなければなりませんが、SMCホームページにあるマニホールド仕様書が選定に便利です。
マニホールド仕様書とは、Excelシートになっており、仕様を選択するだけで自動で型式入力までしてくれる優れもの。ただし超低温使用など特殊な流体用ソレノイドバルブは扱っていない場合もあるので、注意しましょう。(特注対応は出来る場合もあります。)
日本アスコ株式会社(日本ASCO)
出典:ASCO
1970年創業の電磁弁やエア操作弁を製造するメーカー。
国内では馴染みのないメーカーかもしれませんが、売上高180億ドルを超える米国エマソンエレクトリックのグループ会社です。
一般機器用の他に、医療分野向けの電磁弁にも力を入れています。
汎用品よりも医療系や化学プラント、タービン用など特殊仕様に強い印象です。
甲南電機株式会社(KONAN)
出典:KONAN
1940年に創業した甲南電機は、日本で初めて電磁弁・減圧弁の国産化に成功した企業です。
高い加工技術が必要な部品は自社生産し、国内で唯一セラミックを用いたソレノイドバルブを製造するなど独自性の強い製品を製造しています。
懸念点は、SMCの汎用品に広く搭載されているワンタッチ管継手の配管仕様がない点。置き換えの際は、注意が必要です。
ソレノイドバルブ(電磁弁)の価格相場
ソレノイドバルブ(電磁弁)の価格相場は、2ポート(オプション無し)で3,000円~。
また、5ポートの場合はマニホールドでカスタマイズ前提のため相場は機器によって異なりますが、最も安価なセットで約6,000〜です。
2ポートの場合もシールの材質や絶縁種、リード線取り出し方法などの変更で価格が高くなります。
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ソレノイドバルブ(電磁弁)の選び方
空気圧制御部門では、在庫量の多さから最初に見積もりを出すのが良いでしょう。
ただし、ソレノイドバルブは特殊仕様も多く、メーカー各社でそれぞれ強みがあります。
SMCで対応していない、もしくは特殊品対応で金額が高くなる場合は、その分野に強いメーカーを探してみると標準仕様で受注してもらえることもありますので、確認してみましょう。
ソレノイドバルブ(電磁弁)のまとめ
今回の記事ではソレノイドバルブ(電磁弁)について解説しました。今回の記事内容を簡単にまとめます。
- ソレノイドバルブ(電磁弁)とは 電磁石に電流を流して弁の開閉を行い、空気や水などの流れを止めたり、流れる方向を転換したりする機能を持つ精密部品
- 接続口の数によって分類別けが可能。(2ポート、3ポート~など)
- 主要メーカーは、SMCや日本ASCO、甲南電機などをはじめと20社程度ある
- ソレノイドバルブ(電磁弁)の価格相場は汎用品で3000円~。ただしカスタマイズ前提の5ポートなどは仕様によっては6000円~となる。
- 使用用途などによって選択肢が変わってくるため、相見積によって選定するのが一般的である
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