今回の記事では「電動アクチュエータ」の、おすすめメーカーと価格相場について紹介します。
目次
電動アクチュエータの種類
電動アクチュエータとは、モータに機構部品を組み合わせた産業用機械全般を指します。
生産レーンでの単純な運搬やセンサと連動して不良品を選んで押し出す動作などの制御も可能です。
電動アクチュエータは、行う動作によって主に以下の3種類に分類できます。
①電動シリンダ
モータを直線動作に利用した電動アクチュエータ。ワークを運んだり、押し出す作業が可能です。
サーボ制御される電動シリンダはサーボシリンダと呼ぶメーカーもあります。
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②ロータリーアクチュエータ
モータに回転テーブルが組み合わされた電動アクチュエータ。
テーブルの位置決めやアーム搬送で利用されます。
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③ラック・ピニオン
ラック・ピニオンによってモータの回転を直線運動に変換したアクチュエータ。ワークの上下動では他の2タイプよりも適しています。
※電動アクチュエータは広い範囲で使用される用語のため、メーカーによっては上記以外の分類をしている場合もあります。
電動アクチュエータを製造するおすすめメーカー
電動アクチュエータを扱う主要メーカーは、30社あります。上記3つの分類でそれぞれシェア率の高いメーカーを3社ご紹介します。
THK株式会社(THK)
出典:THK
THK株式会社は1971年に創業した駆動機器をメインに製造・販売するメーカーです。比較的新しい企業ですが、LMガイドやボールねじなど世界トップシェアを誇る製品を数多く持っています。
電動シリンダ部門では、品質・価格ともにトップクラスのメーカーです。寿命計算プログラムやユニットでの導入の際の共同プランニング、仕様作成補助もしてもらえる点など製品以外のサービスでも強みを持ちます。
製品は、ロープライスなエコノミーシリーズやコンパクトシリーズ、そして低発塵構造が売りのクリーンシリーズなどラインナップが豊富です。他社にはない福祉機器での利用を推奨しているCRESシリーズも登場しました。
デメリットを挙げるとすれば品質に高さに対しての価格は安いですが、精度を求めない現場や一時的な利用であれば価格を高く感じるかもしれない点です。
SMC株式会社
出典:SMC
SMC株式会社は、1959年に焼結エレメントの製造・販売を目的に焼結金属工業株式会社として創業したメーカーです。
電動アクチュエータでは、電動シリンダとロータリアクチュエータで強みを持っています。ロータリーアクチュエータのバリエーションは8シリーズ17タイプ。ワークの搬送時間や停止の精度などで選定できます。
SMCは製品全般で追加オプションが豊富な点も魅力。ロータリアクチュエータでいえば耐熱型やパッキン類フッ素ゴムなど特殊用途向けにセミオーダー品を注文可能です。
懸念点は、駆動機器の販売大手ミスミ参考の納期の場合、需要が高い製品以外は軒並み納期30日のため長納期になる可能性がある点でしょう。
オリエンタルモーター株式会社
出典:オリエンタルモーター
オリエンタルモーター株式会社は、1885年に薬品医療機器の販売からスタートした駆動機器メーカーです。
ラック・ピニオンシステムを採用したLシリーズは、mm単位での制御が可能で、さらに最大可搬質量100kgもあります。パワーと精度の両方が必要な環境で活躍する製品です。
懸念点はラックピニオン単体で7万円前後の価格帯という点で導入コストは高価になります。(ドライバやケーブルを合わせると10万円超。)
電動アクチュエータの価格相場
電動アクチュエータの価格相場は数万円程度~となっています。
- 電動シリンダで5万円〜
- ロータリーアクチュエータで1.5万円〜
- ラック・ピニオン(単体)で7万円〜
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電動アクチュエータの選び方
電動アクチュエータは、メーカーによっては取り扱いのない製品もあります。
基本的には機構部品を製造しているメーカーがその機構を用いた電動アクチュエータを製造している場合が多いでしょう。(THKであれば、ボールねじと電動シリンダなど)
特に機構部品のシェア率が高いメーカーはその可能性が高いので、HPやカタログ等の確認をおすすめします。
電動アクチュエータのまとめ
今回の記事では電動アクチュエータについて解説しました。今回の記事内容を簡単にまとめます。
- 電動アクチュエータとは、モータに機構部品を組み合わせた産業用機械全般を指す
- 「電動シリンダ」や「ロータリーアクチュエータ」「ラック・ピニオン」などにわけられる
- 主要メーカーは「THK」「SMC」「オリエンタルモーター」など
- 電動アクチュエータの価格相場は、数万円~
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