半導体洗浄装置のおすすめメーカーと価格相場

半導体洗浄装置のおすすめメーカーと価格相場

2022年11月9日

半導体洗浄装置の価格相場

半導体洗浄装置の価格相場は非公開ですが、数億円程度といわれています

 

洗浄性能はもちろんのこと、フットプリント(装置の占有面積)やスループット(時間あたりのウエハ処理枚数)よって、価格は変わります。より優れた洗浄性能を、よりコンパクトに、より生産性高く提供できる装置が高いのはいうまでもありません。

 

半導体洗浄装置の種類

半導体洗浄装置とは、ウエハの洗浄工程で使用する産業用の機械です。ウェットステーションやウェットベンチとも呼ばれます。分類としては大きく2つに分けられ、以下のような違いがあります。

①バッチ式洗浄装置

 

ウエハを複数枚まとめて洗浄する装置です。通常25枚または50枚単位で処理されます。FOUP(フープ)と呼ばれるウエハ搬送容器には、標準で25枚のウエハが収納されるためです。

ウエハを薬液や純水の入った槽に垂直に浸して、表面の汚染物を除去します。代表的な薬液は、硫酸・アンモニア水・フッ化水素酸(フッ酸)・塩酸・過酸化水素水(過水)の5つです。

バッチ式メリットは、ウエハをまとめて処理するので、スループット(時間あたりのウエハ処理枚数)が高いことです。そのぶん大量の薬液を消費するため、環境負荷が大きいのがデメリットになります。

②枚葉式洗浄装置

ウエハを1枚ずつ洗浄する装置です。

ウエハをDVDのように水平に回転させ、そこにノズルから薬液や純水を吹きかけて表面の汚染物を除去します。薬液はバッチ式と同じものが使われますが、その消費量は少なくて済むのがメリットです。

デメリットはバッチ式にくらべ、スループットが低いことです。しかし、半導体製造は多品種少量生産の時代に入っているため、洗浄装置の主流はバッチ式から枚葉式になっています。

半導体洗浄装置を製造するおすすめメーカー

半導体洗浄装置を扱う主要メーカーは、10社近くあります。その中でもおすすめのメーカーを2社ご紹介します。

株式会社SCREENホールディングス(スクリーン)

SCREEN

出典:SCREEN

 

 

1943年設立。大日本スクリーンとして知られていますが、2014年に商号を株式会社SCREENホールディングスに変更。半導体事業は、子会社の株式会社SCREENセミコンダクターソリューションズにて展開しています。

半導体洗浄装置において、世界トップシェアを誇っています。2021年のシェアは、バッチ式58%、枚葉式35%。シェア推移は低下傾向にありますが、それでもまだまだトップを走っています。

東京エレクトロン株式会社(TEL)

TEL

出典:TEL

1963年設立。国内最大の半導体製造装置メーカーで、世界の売上ランキングでも第2位に位置しているリーディングカンパニー。

半導体洗浄装置においては、スクリーンに次いで世界シェア第2位です。2021年のシェアは、バッチ式33%、枚葉式22%。前年の2020年はバッチ式15%、枚葉式19%なのでシェアを着実に伸ばしています。

 

半導体洗浄装置の選び方

少品種大量生産であれば、バッチ式。多品種少量生産であれば、枚葉式。これが基本的な考え方となります。

洗浄性能は枚葉式のほうが優れているので、高度な洗浄が要求される場合は、枚葉式を選ぶ必要があります。

ウエハ1枚あたりの処理コストは、バッチ式のほうが低くおさえられます。しかし、環境負荷に対する配慮も重要課題ですので、薬品を大量に消費するバッチ式は悩ましいところです。コストに問題がなければ、枚葉式を選ぶのが良いでしょう。

上記おすすめメーカーの2社比較としては、安定実績のスクリーンと進化成長のTELといったところですが、どちらも世界のトップで活躍しており信頼性は抜群です。

半導体洗浄装置のまとめ

今回の記事では半導体洗浄装置について解説しました。今回の記事内容を簡単にまとめます。

  • 半導体洗浄装置とはウエハの洗浄工程で使用する産業用の機械
  • 「バッチ式洗浄装置」「枚葉式洗浄装置」などにわけられる
  • 主要メーカーは「スクリーン」「東京エレクトロン」を筆頭に10社ほど
  • 半導体洗浄装置の価格相場は、数億円~

 

 

■執筆担当者:つわもん
工場現場系フリーランスWebライター。製造業界および半導体業界で計7社を渡り歩く。
国内・海外あわせて20以上の工場で、現場をかいくぐってきたツワモノ。ただの器用貧乏なヨワモノとのうわさもあり。