リフロー炉のおすすめメーカーと価格相場

リフロー炉のおすすめメーカーと価格相場

2022年12月15日

今回の記事では「リフロー炉」の、おすすめメーカーと価格相場について紹介します。

 

 

リフロー炉の種類

リフロー炉とは、プリント基板に電子部品を、はんだ付けする工程で使用する産業用の機械です。

リフロー炉の前工程では、プリント基板にあらかじめクリームはんだが印刷塗布され、その上に電子部品が載せられます。それらを一式、リフロー炉で加熱することにより、はんだ付けされる仕組みです。

分類としては大きく3つに分けられ、以下のような違いがあります。

①赤外線方式

赤外線によって加熱をする方式。メリットは、ランニングコストが低く、量産性に適していることです。デメリットは、熱を吸収する物質の特性により、部品間の温度がまばらになりやすいことです。

②熱風方式

熱風を対流させ加熱する方式。メリットは、部品間の温度差が比較的小さいことです。デメリットは、大きな基板や部品に対して、加熱容量が足りないことが多く、生産性が悪いことです。

③VPS(ベーパーフェーズソルダリング)方式

フッ素系不活性液体(ガルデンやフロリナートなど)の飽和蒸気で加熱する方式。メリットは、部品間の温度を均一に保てることです。デメリットは、ランニングコストが高いことです。

 

 

リフロー炉を製造するおすすめメーカー

リフロー炉を扱う主要メーカーは、20社あります。各社ともに機械の特徴やメリット・デメリットがあります。

エイテックテクトロン株式会社

ETC

出典:ETC

1984年創業。創業以来一貫して、リフロー装置の開発・製造・販売を行ってきました。地球温暖化対策として、他社に率先して消費電力の低電力化や高断熱化に取り組み、全てのリフロー製品を高断熱・低電力仕様のモデルに切り替えています。

株式会社タムラ製作所

TAMURA

出典:TAMURA

1924年創業。日本で最も歴史のある電機企業のひとつです。2000年には、RoHS指令発効(2006年)にいち早く対応。リフロー装置の鉛フリー対応が評判を呼び、一躍トップシェアを獲得しています。

「お客様に世界の⼀流品を提供する」という創業精神のもと、オンリーワン・カンパニーの実現を目指しています。

アントム株式会社

ANTOM

出典:ANTOM

1976年創立。リフロー炉専門メーカー。全長4m以下の小型リフロー炉を中心に、これまで国内外に5,000台以上の販売実績を誇ります。カスタマイズ対応や周辺機器(コンベヤやリフローチェッカーなど)の提案にも注力。

小型リフロー炉専門メーカーとして培ってきたノウハウと経験から、小回りのきいた対応で、顧客の要望に応えています。

 

 

リフロー炉の価格相場

リフロー炉の価格相場は数十万円〜数百万円程度です

卓上レベルの小型のものから、大量生産用の大型のものまで価格に幅があります。

 

 

リフロー炉の選び方

以前は、赤外線方式やVPS方式が主流でした。しかし、技術の進歩や環境問題により、現在は両者をいいとこ取りした熱風方式が主流になっています。

そのため、特別な理由がなければ、熱風方式を選択すれば良いでしょう。ランニングコストを一番に考えるなら、赤外線方式。加熱の均一性をシビアに要求されるなら、VPS方式を導入する必要があります。

 

 

リフロー炉のまとめ

今回の記事ではリフロー炉について解説しました。今回の記事内容を簡単にまとめます。

  • リフロー炉とはプリント基板に電子部品を、はんだ付けする工程で使用する産業用の機械
  • 「赤外線方式」や「熱風方式」「VPS方式」などがある。現在は熱風方式が主流
  • 主要メーカーは「エイテックテクトロン」を始め、20社ほど
  • リフロー炉の価格相場は、数十万円~数百万円程度

 

 

■執筆担当者:つわもん
工場現場系フリーランスWebライター。製造業界および半導体業界で計7社を渡り歩く。
国内・海外あわせて20以上の工場で、現場をかいくぐってきたツワモノ。ただの器用貧乏なヨワモノとのうわさもあり。