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研削盤の価格相場
研削盤の価格相場は1,000万円以上です。製品によっては数千万円と高額になります。
基本的には機器自体の大きさなどで価格に違いがあり、小型の汎用機は安く、大型のNC制御超精密機が最も高額となっています。
研削盤の種類
研削盤とは、研削加工を行うための産業用の機械です。研削加工は、旋盤やフライスでの加工後、あるいは熱処理後に、高速で回転する砥石で、ワーク表面を削って寸法精度を出すために行います。
除去加工の1種で、切削工具では削ることができない焼入した金属や、特殊合金鋼でも加工することができます。
製造業で一般的に使われている記号「G」で表される研磨指示は、正確には研削指示のことです。
分類としては大きく3つに分けられ、以下のような違いがあります。
①平面研削盤:
ワークの平らな面を削る研削盤です。主軸が垂直の立て軸形と、主軸が水平の横軸形の2種類があります。立て軸形は丸太形砥石の平面の面を使用し、横軸形は、円周面を使用します。
ワークをセットするテーブルには、回転運動をする円テーブルと、往復運動をする角テーブルがあります。立て軸形には円テーブルが、横軸形には角テーブルが多く使われています。
②円筒研削盤:
丸形状のワークの外周を削る研削盤です。旋盤に似た構造をしています。ワークを心押しセンタやチャックで固定し、回転する砥石をあてて表面を削ります。
ワークに対し、砥石を平行に動かす方式をトラバース研削、垂直に接触させる方法とプランジ研削があります。トラバース研削は、全長の長いワークに、プランジ研削は、外形の大きなワークに使われます。
主軸のないセンタレス研削盤は、砥石と調整砥石の間にワークをセットし、外周全体を削ることができます。細いピンやパイプなど、支えるのが困難なワークでも削ることができます。
③内面研削盤:
ワークの穴の内側を削る研削盤です。ワークと砥石の両方が回転する普通型と、砥石のみを回転・公転させるプラネタリ型があります。普通型は、ワークと砥石を反対方向に回転させ、砥石を動かして内面を削ります。
プラネタリ型は、バランスの取りにくいワークや、大物ワークに用いられる機械です。砥石の形状を変えることで、テーパや段付きワークにも対応できます。
研削盤メーカーについて
研削盤を扱う主要メーカーは、約30社あります。本記事では代表的な3社を紹介します。
株式会社シギヤ精機製作所
出典:シギヤ精機製作所
創業100年を越えるシギヤ精機製作所。広島県福山市に本社を構える「円筒研削盤」専業の工作機械メーカーで、主に「円筒・アンギュラ円筒研削盤」「万能研削盤」「専用研削盤」「正面研削盤」「センタレス円筒研削盤」などを製造販売しています。
国内に5カ所の営業所/出張所があり、海外はアメリカやタイなど、5つの国と地域に関連会社を持っています。
株式会社岡本工作機械製作所(Okamoto)
出典:OKAMOTO
岡本幸作機械製作所は、間もなく創業100年を迎える群馬県安中市の工作機械メーカーです。
研削盤・半導体関連製造装置は、業界一のラインナップを誇っています。
また平面研削盤の業界シェアはNo.1で、「汎用」「NC」「超精密タイプ」と豊富な種類を取りそろえています。
国内には3カ所、海外は、シンガポール、タイ、中国と、合計6カ所の生産拠点をかまえています。
株式会社コンドウ(KONDO)
出典:KONDO
株式会社コンドウは1951年創業の老舗メーカーです。愛知県豊川市に本社があり、主に「CNC円筒研削盤」「万能円筒研削盤」「CNC溝研削盤」「CNCロール研削盤」「専用研削盤」などを製造販売しています。
既存の劣化した工作機械の精度や機能を新品同様に復元し、新しい機能を追加させるレトロフィットや、一つ一つの部品にまで分解・点検するオーバーホールなど、工作機械の改造修理も行っています。
研削盤の選び方
研削加工のポイントは、加工精度、加工時間、砥石寿命の3点です。これには、砥石の周速と切り込み量が大きく関わってきます。
例えば、周速が大きすぎると、砥石が高温になり、ワークに焼けやビビリが発生したり、切り込み量が少なすぎると、砥石滑りが生じるなどです。
実際の加工条件は、ワークの材質、硬度、形状だけでなく、研削盤の特性も考慮する必要があります。
研削盤のまとめ
今回の記事では研削盤について解説しました。今回の記事内容を簡単にまとめます。
- 研削盤とは研削加工を行う産業用の機械
- 「平面研削盤」や「円筒研削盤」「内面研削盤」など、様々な種類がある
- 主要メーカーは「シギヤ精機製作所」「岡本工作機械製作所」「コンドウ」など
- 研削盤の価格相場は、1,000万円~数千万円程度