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非接触三次元測定機の価格相場
非接触三次元形状測定機の価格相場は数千万円~数億円程度です。
非接触三次元形状測定機の価格は精度、測定物の大きさ、機能によって大きく変わってきます。特に産業向けの高精度な機器は、大型になるほど価格も高くなります。
分類としてはX線CT式非接触三次元形状測定機が一番高額であり、比較的小型で精度が低いものであっても数百万円、大型で高精度なものになると数億円となっています。
非接触三次元形状測定機の種類
非接触三次元測定機とは、立体物に触れることなく三次元座標を測定することが出来る産業用の機械です。
分類としては大きく4つに分けられ、以下のような違いがあります。
①レーザー式非接触三次元形状測定機:
レーザー光を測定物に照射しその反射を測定することで対象物の形状を測定する測定器です。
レーザー式は非接触三次元形状測定器の中では最も多くの製品が存在し、形状も卓上式のものからハンディタイプのものまで様々です。なお、同タイプの測定器は「レーザー顕微鏡」などとも呼ばれる場合もあります。
②CCD式非接触三次元形状測定機:
プロジェクターを用いて測定物に光をあて、複数のCCDカメラで撮影することで対象を測定できるタイプです。原理としては「三角測量」と同じです。
同タイプは、比較的速く測定が可能である点が特徴です。
一方で、プロジェクターの光が当たる部分しか測定できない点や、光沢のある部分や黒い部分、そして光を透過させてしまう部分のある対象物は、測定が難しいといったデメリットもあります。
③CNC画像測定式非接触三次元形状測定機:
CNC画像測定式非接触三次元形状測定機は、対象物をCCDカメラによって拡大撮影します。そして撮影した画像をコンピューターによって処理することで、対象物の形状を測定します。このタイプの測定器は、基盤や電子部品などの測定に向いています。
デメリットとしては温度による測定の誤差。測定環境を専用で作る必要があり、また測定者に高い技術が必要である点はデメリットでしょう。
④X線CT式非接触三次元形状測定機:
X線CT式非接触三次元形状測定機は、レントゲンと同じ原理を用いた測定機です。
X線が物質を通り向ける際に、物質によってX線量は減衰します。その性質を利用し測定を行います。
一般的に「CT」というと医療現場で使われることが多いといったイメージですが、工業分野でも使用されています。
測定物の表面的な形状を測定出来ることはもちろん、その内部の形状まで、対象物を傷つけることなく測定できる点はメリットです。
一方で、X線を使用することから導入に届け出が必要になる場合や、免許が必要になる点はデメリットとして挙げられます。
非接触三次元形状測定機メーカー各社のメリット・デメリット
非接触三次元形状測定機を扱う主要メーカーは、約20社あります。各社ともに機械の特徴やメリット・デメリットがあります。
カールツァイスAG(ZEISS)
出典:zeiss
1846年に創業したドイツの光学系老舗メーカー「カール・ツァイス (Carl Zeiss AG)」。同社は、測定機器や顕微鏡、半導体装置、医療機器など、様々な産業機器を製造、販売しています。
ZEISSは様々な分野で高い技術力を持っており、世界の50の国と地域で使用されています。
非接触三次元形状測定機も扱っており、世界シェアもトップ。商品ラインナップが多く、高精度かつ高速な測定が可能です。ただし外資系である点などからアフターサービスなどは国内製品の方が安心できるかもしれません。(※カールツァイスの日本機能は東京・名古屋・大阪・福岡など複数拠点あり)
株式会社ミツトヨ(Mitutoyo)
出典:Mitutoyo
ミツトヨ(旧三豊)は、1934年に創業した精密測定器専業の老舗メーカーです。
世界で初めてCNC表面粗さ測定器および輪郭測定や超精密なマイクロメーターを販売したメーカーであり技術力には定評があります。
1954年と終戦からわずか9年後には、世界市場へと進出。1963年には同社初の海外拠点をアメリカに構えるなどグローバル展開を行っています。
非接触三次元形状測定機は1987年頃から手掛けており、国内メーカーとしては信頼性の高い企業です。
ヘキサゴン・メトロジー株式会社(Hexagon AB/HxGN)
出典:Hexagon
1992年に創業したスウェーデンの多国籍企業であるヘキサゴン。2001年以降、同業社を買収しながら成長しており、現在では世界最大規模の測定機器メーカーとなっています。
様々な老舗メーカーの技術が集約されており、技術力をはじめとした、ノウハウや信頼性も高いのが特徴です。
非接触三次元形状測定機の商品ラインアップも最も多いメーカーであり、どんな測定物にも対応可能です。
なお同社の日本法人は「ヘキサゴン・メトロジー株式会社(本社・神奈川県)」となっていますが、サイトUIは悪く検索性やアフタフォロー面でやや不安を覚えます。
非接触三次元測定機の選び方
非接触三次元形状測定機の選び方としては、以下4点を必ず明確にしましょう。
- 何をどのように測定したいのか
- どの程度の精度・速度で測定したいのか
- 導入コスト
- アフターサービス
非接触三次元形状測定機は、その精度と測定時間は反比例の関係になることが多く、測定時間もしっかりと考えて比較するのが重要です。
高精度で高速測定の可能な機器もありますが、導入コストは高額になります。どの程度のコストが必要かを予め検討するのも重要です。
またメーカー選定は、シェアの高い外資系を選ぶのか、日本国内に複数拠点もつ国内メーカーにするのかなど、アフタフォロー面もしっかりと検討しましょう。
非接触三次元測定機のまとめ
今回の記事では非接触三次元形状測定機について解説しました。今回の記事内容を簡単にまとめます。
- 非接触三次元形状測定機とは立体物に触れることなく三次元座標を測定することが出来る産業用の機械
- 「レーザー方式」や「X線CT方式」など、様々な種類がある
- 主要メーカーは外資系が多く、日系企業では「ミツトヨ」などが主要メーカーとなっている
- 非接触三次元形状測定機の価格相場は、数千万円~数億円程度
■執筆担当者:KenOs 昼は自動車整備士、夜は覆面の執筆者、趣味はバイクという、ライター界きっての機械マニア。 そんな機械に囲まれた最高の生活を送っているが、そろそろお金と美女にも囲まれたい、バイクには乗れるが時代の波にももっと上手く乗りたい……といった悩みも。 |