今回の記事では「高周波ウェルダー」の、おすすめメーカーと価格相場について紹介します。
目次
高周波ウェルダーの種類
高周波ウェルダーとは、高周波誘電加熱によって、樹脂素材を溶着する産業用の機械です。
ワークに高周波をあて、内部の分子を振動させることで発生した熱を利用します。
電気を通さない誘電体で、温度変化により液体化したり固体化したりする熱可塑性樹脂が使用可能ですが、加熱によって固くなる熱硬化性樹脂には使用できません。
例えば「熱可塑性樹脂」の中でも、塩化ビニール、塩化ビニリデン、ナイロン、ポリウレタンなど、誘電力率の大きな素材は溶着可能です。ただしポリエチレンやポリプロピレンといった、誘電力率の小さな素材には適していない点は注意が必要です。
高周波ウェルダーを製造するメーカー
高周波ウェルダーを扱う主要メーカーは、4社あります。今回の記事では3社ご紹介します。
精電舎電子工業株式会社
出典:精電舎電子工業
1956年創業の老舗メーカーで、1961年には世界初の「超音波プラスチックウェルダー」「超音波ミシン」を発表。
超音波の音波、高周波の電波、レーザーの光波の3つの波動エネルギーをコアテクノロジーとして、その応用技術を駆使し、溶着溶断技術と応用加工技術を総合的に提供しています。
尚、同社は国内に10拠点、海外はアメリカ、タイ、中国と3つの拠点を持っています。
山本ビニター株式会社(VINITA)
出典:山本ビニター
山本ビニターは、1953年創業の老舗メーカーです。同社は、大量生産ではなく、顧客ニーズに合わせた少量多品種生産をウリにしているのが大きな特徴。
高周波による誘電加熱技術と、マイクロ波によるマイクロ波加熱技術を応用し、木材加工、食品加工、プラスチック加工、医療機器まで、幅広い分野で事業展開しています。
パール工業株式会社
出典:パール工業
1953年創業の高周波・超音波関連機器メーカーです。
主な製品として高周波ウェルダー、高周波乾燥機、超音波ウェルダー、プラズマ発生用高周波電源、真空成形機、熱盤溶着機、トリミング機、高周波誘電加熱装置、プラズマ応用装置などを製造販売しています。
高周波ウェルダーの価格相場
高周波ウェルダーの価格相場は、出力の小さな汎用機で200万円前後。出力の大きな専用機では数千万円する機器もあります。
また同じ出力でも、専用機の場合はワークに合わせて設計製作するため、汎用機に比べて高額になります。
お問い合わせやお見積りのご相談は「お問い合わせフォーム」よりお願いいたします。
高周波ウェルダーの選び方
基本的なワークの形状は、シート状のもの、もしくは、チューブ状のものです。
溶着には、ワークに合わせた専用金具が必要になります。また、溶断刃のある金具を使用すれば、溶着と同時にカットも行えます。
汎用機の場合、高周波出力だけでなく最大加工面積も決まってくるため、加工可能なスペックのものを選定します。
その際、生産するワークの形状と種類、生産数によって、複数台導入の方がいいのか、それとも1台で金型交換で対応させていくのか、検討が必要です。
高周波ウェルダーのまとめ
今回の記事では高周波ウェルダーについて解説しました。今回の記事内容を簡単にまとめます。
- 高周波ウェルダーとは高周波誘電加熱によって樹脂素材を溶着するための機器
- 主要メーカーは「精電舎電子工業」を筆頭に3社ほど
- 高周波ウェルダーの価格相場は、出力や汎用・専用機で異なるものの200万円~数千万円程度
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