今回の記事では「エアレギュレータ(減圧弁)」の、おすすめメーカーと価格相場について紹介します。
目次
エアレギュレータ の種類
エアレギュレータ(減圧弁)とは、エアコンプレッサーから供給された空気を減圧して各機械へ送る機構・精密機器です。通常、エア駆動ポンプなどの圧縮空気をエネルギー源とする機器に組み込まれます。分類としては大きく3つに別けられ、以下のような違いがあります。
①標準エアレギュレータ:
一般的なレギュレータです。減圧だけでなく、エアコンプレッサーから送られる不安定な圧縮空気の調整も可能です。空気圧が不安定だと機械の損傷にも繋がります。
②フィルタエアレギュレータ:
標準エアレギュレータにフィルタが付属したタイプです。
通常のエアレギュレータの機能に加え、圧縮空気中の水(ドレン)やゴミを除去してくれます。
レギュレータ+フィルタを別々で使用するよりもコンパクトな点も魅力です。
③F.R.Lユニット:
フィルタレギュレータにさらにルブリケータを付属したタイプです。
(F)フィルタ・(R)レギュレータ・(L)ルブリケータの頭文字からF.R.Lユニットと呼ばれています。
※「ルブリケータ」は、レギュレータに潤滑油を供給する精密機器です。部品の摩耗を抑え、圧力制御部分の長寿命化に繋がります。
エアレギュレータメーカー各社のメリット・デメリット
エアレギュレータを扱う主要メーカーは、20社あります。その中から、国内シェアの高い3社を機械の特徴やメリット・デメリットと合わせてご紹介します。
SMC株式会社(SMC)
出典:SMC
SMCという社名になったのは1986年ですが、SMCの前身である焼結金属工業株式会社は1959年創業の老舗メーカーです。
空気圧機器部門は、国内シェア65%、世界シェア37%と業界トップを走っています。
同社はラインナップが豊富で、ホームページの機器選定アプリケーションも充実しており、選定のしやすさが強みの一つです。
一方で、CADや取扱説明書など製品情報はほとんどホームページで見られる点から、漠然とした問合せ(型式不明・写真で判断してほしいなど)には、回答がもらえない場合もあります。
ホームページで出来る限り選定の上、問合せましょう。
CKD株式会社(CKD)
出典:CKD
1943年に設立した駆動機器から包装機械、産業機械まで製造している機械メーカーで、空気圧機器部門では、SMCに次ぐ国内シェアを誇っています。
対象は「F.R.Lユニット」のみですが、追加料金で納入後3年間の保証期間延長が選べる点は、海外案件時には役立つ独自のオプションです。
ラインナップはSMCに引けを取りませんが、汎用品で比べると、価格面はSMCの方が安い傾向にあります。
フエストジャパン(Festo JP)
出典:Festo
1925年にドイツで創業した空気圧制御機器メーカーです。
世界でも高いシェアを獲得しており、世界中に60以上の工場を持っています。
世界シェアの高い企業だけ有り、エアレギュレータのバリエーションも豊富ですが、懸念点はSMCなどと比較すると製品選定のしづらさなどでしょう。
企業ホームページは日本語化されているものの、一部カタログページが外国語のみであったり、CADが見られなかったりと、少々使いにくいのが難点です。
エアレギュレータの価格相場
エアレギュレータの価格相場は、標準型サイズ最小で約2,000円~、サイズ最大で2万円を超える製品もあります。
フィルタ付きレギュレータは約5,000円〜、F.R.Lユニットになると約6,000円〜になります。
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エアレギュレータの選び方
できるだけ短納期で注文したい場合は、SMCやCKDがおすすめです。
特にSMCは昨今の半導体不足でも、在庫で需要に応え、最高益を更新するほど「高在庫・短納期」を企業戦略としています。
SMCやCKDでは対応していない材質の製品もフエストなら標準型式で扱っている場合もあるので、確認してみてください。
エアレギュレータのまとめ
今回の記事ではエアレギュレータについて解説しました。今回の記事内容を簡単にまとめます。
- エアレギュレータとは エア駆動ポンプなど圧縮空気をエネルギー源とする機器に組み込まれる精密機器
- フィルタエアレギュレータやF.R.Lユニットなど、様々な種類がある
- 主要メーカーはSMCやCKD、フエストジャパンをはじめとした20社
- エアレギュレータの価格相場はサイズによって大きく異なる。サイズ最小で2000円程度~。
- 半導体不足の昨今は、まずは在庫状況・納期を確認するのが望ましい
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