今回の記事では「かさ歯車(ベベルギア)」の、おすすめメーカーと価格相場について紹介します。
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目次
かさ歯車(ベベルギア)の種類
かさ歯車(ベベルギア)とは、産業用ロボットや工作機械で使用される歯車の一種です。
傘状の歯車を2つ組み合わせて使用します。分類としては大きく2つに分けられ、違いは以下のとおりです。
- すぐ歯かさ歯車:ストレートベベルギヤとも呼ばれ、歯筋が直線になっているかさ歯車。
- 曲り歯かさ歯車:スパイラルベベルギヤとも呼ばれ、歯筋がねじれているかさ歯車。
すぐ歯かさ歯車は曲り歯かさ歯車と比べ、スラスト荷重が小さいためスラスト荷重を嫌う場合に多く使用されます。コスト面でも優位です。
一方で曲り歯かさ歯車は、歯車噛み合い率が良いため、静音性に優れ、振動も少ない点などのメリットがあります。
かさ歯車(ベベルギア)を製造するおすすめメーカー
かさ歯車(ベベルギア)を扱う主要メーカーは、約15社あります。その中でもおすすめのメーカーを特徴とあわせて3社ご紹介します。
小原歯車工業株式会社(KHK)
出典:KHK
小原歯車工業株式会社は、1935年創業の歯車メーカーです。KHKをブランド名としており、標準歯車は国内シェア7割を超える業界トップ企業。
材質も炭素鋼以外にステンレス・プラスチック・POMなど多岐にわたって製品展開をしています。モジュールも0.5から10までの製品をラインナップとして揃えており、豊富な選択肢が魅力です。
S45C相当の材質を使用したかさ歯車はモジュール0.8からとなり、0.5はPOMが標準となる点は注意が必要かもしれません。(加工技術に優れたメーカーなので、オーダー品での対応は可能な場合もあります。)
協育歯車工業株式会社(KG)
出典:KG
協育歯車工業株式会社は、1958年創業の歯車メーカーです。小型歯車部門では国内シェアトップクラスを誇ります。
理念として「追加工が必要な場合が多い歯車を、出来るだけ追加工の手間のかからない様に穴径にバラエティーを富ませ1サイズに数種の穴径のものを用意し完成品に近いストックギヤを提供する」と社長が語っています。
KHKにも引けを取らない種類の豊富さの他、HP上での仕様検索・CAD生成が簡単に行える点も設計や見積もり時に助かるポイントです。
モジュール0.5でも材質が標準で選べる仕様は良い点ですが懸念点としては、選べるモジュールが5までとKHKの半分ほどとなっている点が挙げられます。(KHK同様、オーダー品の対応は可能な場合があります。)
株式会社ニッセイ
出典:Nissei
株式会社ニッセイは、1942年創業の駆動機器・部品メーカーです。国内の小型ギアモータ市場でトップシェアを誇っています。
ギアモータが有名なニッセイですが、歯車も生産しており特に近年はロボット向け高精度歯車に力を入れています。
独自技術であるCBN歯研により低コストで高精度なギアを生産可能にし、多くのロボットメーカーに納入しています。
一般産業用のかさ歯車はCAD図生成やストレートベベルギヤ自体の紹介ページがないなど、上記2社と比べると商品情報の記載が少ない点などはロボット業界以外では懸念点といえます。
かさ歯車(ベベルギア)の価格相場
かさ歯車(ベベルギア)の価格相場は、価格相場はモジュール1、S45C、歯面高周波焼入れなどの在庫標準品で約1500円〜モジュール8で約3万円程度です。(加工が必要な場合が多いため、あくまで参考価格)
曲り歯かさ歯車の場合、精度など変わってきますが、同じモジュールで4〜5倍の価格になる製品もあります。
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かさ歯車(ベベルギア)の選び方
国内メーカーの場合、加工技術や在庫品の多さではKHKと協育が強い印象です。
ロボット向けに使用される場合は高精度歯車としてアッセンブリ対応も行っているニッセイに見積もりをとってみるのも良いかもしれません。
加工技術に関しては上記3社とも世界でトップクラスの技術力を誇るメーカーなので問題ないかと思われます。
かさ歯車(ベベルギア)のまとめ
今回の記事ではかさ歯車(ベベルギア)について解説しました。今回の記事内容を簡単にまとめます。
- かさ歯車(ベベルギア)とは傘の形状をした歯車の一種。ベベルギアとも呼ばれている
- 「すぐ歯かさは歯車」や「曲がりは傘歯車」などにわけられる
- 主要メーカーは「小原歯車(KHK)」や「協育歯車(KG)」「ニッセイ」など
- かさ歯車(ベベルギア)の価格相場は、数万円/個~
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■ 執筆担当者:matogawa お酒と映画が好きなアラサー。産業部品の商社で物流・営業として真面目に働いたもののメーカーとお客さんの間に挟まれすぎて精神的にダウン。軸受のようにどこでも必要とされるライターを目指して奮闘中です。 |