今回の記事では「ガンドリル」の、おすすめメーカーと価格相場について紹介します。
目次
ガンドリルの種類
ガンドリルとは、深穴加工専門のドリルです。
深穴加工とは、穴径に対し5倍以上の深さの穴加工を指します。通常の穴あけに使用するツイストドリルに比べ、精度、面粗度、直進性に優れているのが特徴です。
ガンドリルは、先端の穴から切削油を噴出しながら切り屑をドリル外溝から排出する機構となっており、ステップフィードが不要です。そのため、加工時間を短縮できます。
ガンドリル委の分類としては、大きく以下の2つに分けられ、それぞれ違いを持っています。
①汎用機用ガンドリル:
マシニングセンタ、NC旋盤などで使用可能なガンドリルです。パイロットホール(ガイド穴)によって加工するため、ガイドブッシュ、ガイドプレートが不要になります。
②専用機用ガンドリル:
ガンドリルマシン用のガンドリルです。汎用機用のものに比べ、より細く長い穴を加工することが可能です。
ガンドリルメーカー各社のメリット・デメリット
ガンドリルを扱う主要メーカーは、4社あります。今回の記事では2社をピックアップしご紹介します。
グーリングジャパン株式会社
出典:GUHRING
設立120年になるドイツのグーリング社(GuhlingKG)が株主の日本法人です。日本法人としては、設立40年以上になります。
日本国内に営業所だけでなく、愛知県に工場もあります。
ガンドリルだけでなく、エンドミルやカッターなど他の切削工具や、ツールホルダまで供給しています。
ボーテック社(botek)
出典:botek
ドイツの深穴加工工具専門メーカーです。本国ドイツ以外に、スイスとハンガリーにも工場を持つ、ガンドリルの生産では世界最大のメーカーです。
ガンドリルやBTA(Boring&Trepanning Association)では、世界中の深穴加工製造業で使用されています。
国内では、株式会社ムラキなどの機械工具部など、幅広い流通網で取り扱われています。
ガンドリルの価格相場
ガンドリルの価格相場は、約2万円~です。
基本的に、ドリル径が小さく、長さが短い方が安くなります。同程度のサイズなら、汎用機用ガンドリルより、専用機用のガンドリルの方が高価になります。
刃先は容易に研磨できますが、基本的に刃物は消耗品なので、極端に高額なものはありません。
また、刃先が超硬の超硬ガンドリルよりも、シャンク部分(ドリルチューブ)まで超硬で作られている超硬ソリッドガンドリルの方が、剛性が上がり、価格も高くなります。
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ガンドリルの選び方
あけたい穴の大きさと深さから、加工可能なガンドリルのサイズを選びます。
汎用機で加工する場合、センタースルークーラントが必要です。これはガンドリルの構造上、刃先から切削油を噴出しなければならないからです。
また、汎用機ではワークにパイロットホールを事前に加工しなければなりません。パイロットホールの大きさと深さは、ドリル径によって変わってきます。
ガンドリルマシンの場合は、ガイドブッシュがあるので、パイロットホールの加工は不要になります。
ガンドリルのまとめ
今回の記事ではガンドリルについて解説しました。今回の記事内容を簡単にまとめます。
- ガンドリルとは、深穴加工専用のドリル
- 大きくは汎用機用と専用機用に別けられる
- 主要メーカーは、グリーングジャパンやボーテックなど
- ガンドリルの価格相場は2万円~となっているが、専用機用は高価である
- あけたい穴の大きさと深さから、加工可能なガンドリルのサイズを選ぶのが一般的
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