今回の記事では「エアマイクロメータ」の、おすすめメーカーと価格相場について紹介します。
目次
エアマイクロメータの種類
エアマイクロメータとは、コンプレッサからの圧縮空気を利用して、微小な寸法や変位を測定する測定機械です。
ノズルからの空気を測定物に当て、1000分の1mm単位での測定が可能です。
また空気圧を利用するため、非接触で測定でき、測定物を傷つけないといったメリットもあります。
ベアリングやブッシュなど精密部品を検査する際に、主に使用される精密機械です。分類としては大きく2つに分けられ、以下のような違いがあります。
①コラム型エアマイクロメータ:
製造現場や検査室で使いやすい棒グラフ式の空気マイクロメータ。
複数組み合わせ(多連化)が可能で、寸法の他、位置や振れなども正確に測定できます。
流量式であれば、必要最低限の操作性とコストパフォーマンスの良さもメリットです。
②デジタル型エアマイクロメータ:
背圧式回路によるエアマイクロメータ。流量式エアマイクロメータは、テーパーガラス管(流量計)を使用するため空気回路の空気圧が制限される点がデメリット。
一方でデジタル型は空気圧力を高くでき、安定性と信頼性が向上します。
エアマイクロメータメーカー各社のメリット・デメリット
エアマイクロメータを扱う主要メーカーは、約10社あります。その中から3社を機械の特徴やメリット・デメリットとともにご紹介します。
株式会社第一測範製作所(ISSOKU)
出典:ISSOKU
株式会社第一測範製作所は、1944年に新潟県で創業した計測機器・ボールねじを製造する機器メーカー。
日本初の民間ゲージメーカーでもあります。
タッチパネルで操作ができ、コンパクトなデジアナ表示ユニット「Smp」は独自の製品です。
コラム型2種類、デジタル型4種類の展開は、3社の中で一番多いラインナップになります。
オヂヤセイキ株式会社(OJIYAS)
出典:OJIYAS
オヂヤセイキ株式会社は、1966年に小千谷精機製作所として創業し、1971年に現在の社名になりました。
ねじゲージをコア製品として、2005年からエアマイクロメータの製造・販売を行っています。
2016年に旧製品から操作性を向上させたデジタル式エアマイクロメータの「ad-LF」を発売。デジタル式の測定応答時間は他社製品に比べても早い点は魅力です。
流量式は基準倍率が高くなると最大応答時間が他社よりも遅くなるのでご注意ください。(最大応答時間のため、実際はカタログ掲載の数値より早い場合もあります。)
SKS株式会社(ACQUEST)
出典:SKS
SKS株式会社は、2020年創業のエアマイクロメータと周辺機器の製造・販売を行う専業メーカー。
創業わずかですが、元々は日本電産シンポからエアマイクロ事業が移管されたメーカーであるため、製品は高い品質力を持っています。
USB対応機種もあり、直接本体とPCを接続して、測定したデータをExcelに読み込めるので便利です。
懸念点は、以前の日本電産グループと同等のサポート・メンテナンス体制があるかという点です。
エアマイクロメータの価格相場
エアマイクロメータの価格相場は30万円~40万円程度です。
基本的にオープン価格のメーカーがほとんどのため、上記価格は参考価格です。特注などについては別途見積もりの必要があるため、ご注意ください。
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エアマイクロメータの選び方
エアマイクロメータの国内メーカーは多くありません。
基本性能についても、どのメーカーでも共通項目が多く、価格、オプションや保証、メンテナンスでメーカーを決めることになります。
複数のメーカーで相見積もりをとることをオススメします。
エアマイクロメータのまとめ
今回の記事ではエアマイクロメータについて解説しました。今回の記事内容を簡単にまとめます。
- エアマイクロメータとは微小な寸法や変位を測定する測定機械
- 「コラム型エアマイクロメータ」や「デジタル型エアマイクロメータ」などの種類がある
- 主要メーカーは、「第一測範製作所」「オヂヤセイキ」「SKS」などを筆頭に10社ほどある
- エアマイクロメータの価格相場は、市販品であれば30~40万円程度。特注などは別途見積もりが必要です。
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